視床痛について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
視床痛は、中枢性疼痛の一種であり、その特性から一般的な鎮痛薬では効果が得られにくいことが知られています。これは神経系の損傷によって引き起こされるため、痛みのメカニズムが炎症や組織損傷とは異なるためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 視床痛は、中枢神経系の損傷によって引き起こされる中枢性疼痛であり、CRPS Type I(RSD)とは異なる病態です。CRPS Type Iは通常、末梢神経損傷を伴わない外傷後に発生する慢性的な疼痛症候群で、自律神経症状や運動障害を伴います。正しくは:視床痛は中枢性疼痛であり、CRPS Type Iとは異なる病態です。選びやすい理由:どちらも難治性の痛みであるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:CRPS Type I(RSD)やCRPS Type II(カウザルギー)などの末梢性疼痛症候群。
- 2. 視床痛を含む中枢性卒中後疼痛の発症頻度は、脳卒中患者全体の約1〜12%程度とされており、30%は過大な数値です。正しくは:脳卒中患者における発症頻度は約1〜12%程度です。選びやすい理由:高頻度であるというイメージから、高い数値を選んでしまうかもしれません。混同注意:脳卒中後の痙縮や肩手症候群などの他の合併症の頻度。
- 3. 視床痛は脳卒中発症直後に生じることは稀で、通常は発症から数週間〜数ヶ月、あるいは数年後に遅発性で現れることが多いです。多くの場合、感覚障害の改善に伴って出現すると言われています。正しくは:脳卒中発生後、数週間〜数ヶ月後に遅発性で現れることが多いです。選びやすい理由:脳卒中後の合併症は発症直後から出現するものが多いという一般的なイメージから誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:脳卒中急性期にみられる意識障害や麻痺などの症状。
- 4. 正解。視床痛は神経因性疼痛の一種であり、通常のNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やアセトアミノフェンなどの一般的な鎮痛薬では効果が得られにくいことが特徴です。抗うつ薬(三環系抗うつ薬など)や抗てんかん薬(プレガバリン、ガバペンチンなど)が有効な場合があります。混同注意:侵害受容性疼痛に対する鎮痛薬の効果。
- 5. 視床痛は中枢神経系障害に起因する神経因性疼痛であり、手の腫脹を直接的に伴うことはありません。手の腫脹は、CRPS Type I(肩手症候群)や浮腫など、別の病態でみられる症状です。正しくは:視床痛は手の腫脹を伴いません。選びやすい理由:脳卒中後に肩手症候群が合併し、手部に腫脹を伴うことがあるため、その合併症と混同してしまうかもしれません。混同注意:肩手症候群や深部静脈血栓症による浮腫。
国試ポイント
視床痛の病態生理、臨床的特徴、治療反応性について正確な知識が問われています。特に、他の疾患との鑑別や、一般的な痛みの治療との違いを理解しているかがポイントです。
混同注意
CRPS(複合性局所痛症候群)Type I、脳卒中後の肩手症候群、一般的な侵害受容性疼痛。
次に同じ論点が出たら
今後、同じ論点が出た場合、視床痛の診断基準、治療アルゴリズム、または具体的な薬物療法の選択肢について問われる可能性があります。また、中枢性疼痛全般に関する知識も重要です。
関連知識
中枢性疼痛のメカニズム、神経因性疼痛の薬物療法(三環系抗うつ薬、抗てんかん薬など)、脳卒中後の合併症(痙縮、肩手症候群、感覚障害など)。