後頭葉の血流量低下が特徴的なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Lewy小体型認知症は、その病態生理学的特徴として、後頭葉、特に視覚野における脳血流の低下が画像診断(SPECTやPETなど)で確認されることがよく知られています。この特徴は、幻視などの視覚認知障害の出現と関連しており、Alzheimer型認知症など他の認知症との鑑別点として重要視されています。
選択肢ごとの解説
- 1. HIV関連認知症では、通常、皮質下領域や基底核に障害が見られ、血流低下も広範囲に及ぶことがありますが、後頭葉に特異的な血流低下が主要な特徴ではありません。正しくは:HIV関連認知症では、脳の広範な領域、特に皮質下領域に機能障害が見られます。選びやすい理由:感染症による認知機能障害という点で、他の認知症との鑑別が難しいと感じるかもしれません。混同注意:他の感染症性脳症や広範囲な脳機能障害を伴う疾患と混同する可能性があります。
- 2. 血管性認知症は、脳血管障害によって引き起こされるため、脳のどの部位にでも病変が生じる可能性があり、後頭葉に限定した血流低下が特徴とは言えません。多くの場合、病変部位は多発性または梗塞部位に一致します。正しくは:血管性認知症の血流低下は、梗塞や虚血の部位に依存し、特定の脳葉に限定されません。選びやすい理由:血流低下というキーワードから、血管性の問題が直接関連する血管性認知症を選びたくなるかもしれません。混同注意:脳全体の血流障害と、特定の脳葉の機能低下を混同する可能性があります。
- 3. 前頭側頭型認知症では、主に前頭葉や側頭葉に萎縮と血流低下が見られます。後頭葉は比較的保たれることが特徴です。正しくは:前頭側頭型認知症では、前頭葉および側頭葉の血流低下が顕著です。選びやすい理由:認知症の一種であり、鑑別疾患として頻繁に登場するため、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:他の認知症で特定の脳葉が障害される病態と混同する可能性があります。
- 4. 正解。Lewy小体型認知症では、後頭葉の血流低下(特にSPECTやPETで視覚野の血流低下)が特徴的に認められることが多く、これが診断基準の一つにもなっています。この血流低下は、幻視などの視覚認知障害と関連すると考えられています。選びやすい理由:この知識が直接ないと、Lewy小体型認知症と後頭葉の血流低下の関連性を見抜くのは難しいかもしれません。混同注意:Alzheimer型認知症と症状の一部が似ているため、混同しやすいですが、画像所見(特に後頭葉の血流低下)で鑑別されます。
- 5. Alzheimer型認知症では、早期には内側側頭葉(海馬傍回など)、頭頂葉、後部帯状回などの血流低下が特徴的です。後頭葉は比較的後期まで保たれる傾向にあります。正しくは:Alzheimer型認知症の早期には、内側側頭葉や頭頂葉、後部帯状回に血流低下が認められます。選びやすい理由:最も一般的な認知症であるため、つい選びたくなるかもしれませんが、特徴的な血流低下の部位が異なります。混同注意:認知症全般の画像診断で、脳全体の血流低下や萎縮を混同しがちです。
国試ポイント
本問題は、各認知症の臨床的特徴だけでなく、脳画像所見(特に血流動態)に関する知識が問われています。特定の認知症に特徴的な血流低下部位を正確に理解しているかが鍵となります。
混同注意
認知症の種類ごとの画像所見(特にPETやSPECTにおける血流動態)は非常に混同しやすいポイントです。各認知症で障害されやすい脳部位と、それに伴う血流低下パターンを正確に区別する必要があります。特にLewy小体型認知症とAlzheimer型認知症の鑑別は国試で頻繁に問われます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各認知症疾患における主要な病変部位、それに伴う脳血流動態の変化、そしてそれが引き起こす特徴的な症状(例:後頭葉の血流低下と幻視)を関連付けて理解しているかを確認しましょう。
関連知識
・Lewy小体型認知症の主な症状:進行性の認知機能変動、幻視、パーキンソン症状、レム睡眠行動障害。・診断における画像検査の役割:SPECTやPETによる脳血流評価は、診断の補助として用いられる。特に後頭葉の血流低下はLewy小体型認知症の診断的特徴の一つ。・他の認知症の画像所見:Alzheimer型認知症では頭頂側頭連合野、後部帯状回、楔前部で血流低下。前頭側頭型認知症では前頭葉、側頭葉の血流低下。