無意識的な葛藤を洞察して精神症状を和らげようとするのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
精神分析療法は、精神疾患や心理的問題の原因が無意識の葛藤にあると考え、その葛藤を意識化し、患者自身が洞察することで症状の軽減や人格の成熟を促すことを目的とする治療法です。夢分析、自由連想、転移の分析などが主要な技法となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 催眠療法は、意識を催眠状態に導くことで、暗示やリラックス効果、抑圧された記憶へのアクセスなどを利用しますが、無意識的な葛藤を「洞察」して精神症状を和らげることを主目的とするわけではありません。暗示の受容性を高めることが主眼です。正しくは:催眠療法は、特定の症状に対する暗示やリラクゼーション、あるいは過去の記憶へのアクセスを目的とする治療法である。選びやすい理由:無意識に関わるという点で、精神分析と関連があるように感じるかもしれない。混同注意:精神分析療法における無意識の探求と混同しやすいが、催眠は主に暗示の受容性を高めるための手段である。
- 2. 行動療法は、不適応な行動や思考パターンを学習理論に基づいて修正することを目的とします。無意識の葛藤を洞察することは治療の中心ではありません。正しくは:行動療法は、望ましくない行動を具体的な行動変容技法によって修正することを目指す治療法である。選びやすい理由:恐怖症など具体的な精神症状に効果があるため、選択肢として魅力的である。混同注意:行動の変容に焦点を当てる点で、無意識の探求を重視する精神分析療法とは対照的なアプローチである。
- 3. 芸術療法は、絵画や音楽などの創造的表現を通して自己理解や感情の表出を促しますが、無意識の葛藤を言語的に「洞察」し、それを治療の核とするわけではありません。非言語的な表現による自己探求が中心です。正しくは:芸術療法は、芸術表現を通じて感情を解放し、自己理解を深めることで、心理的な問題の解決を図る治療法である。選びやすい理由:表現を通じて無意識が表出されるという点で、精神分析と関連があるように思えるかもしれない。混同注意:精神分析療法が言語的な洞察を重視するのに対し、芸術療法は非言語的な表現を重視する点で異なる。
- 4. 自律訓練法は、自己暗示によって心身のリラックス状態を導き、ストレス反応の軽減や自己調整能力の向上を図るものです。無意識的な葛藤の洞察を目的とするものではありません。正しくは:自律訓練法は、自己暗示を用いて心身のリラックス状態を作り出し、心身症やストレス関連症状の改善を目指す治療法である。選びやすい理由:リラックス効果により精神症状が和らぐという点で、広義の精神療法と捉えやすい。混同注意:精神分析療法が無意識の探求を核とするのに対し、自律訓練法は意識的な自己調整とリラクゼーションに焦点を当てる。
- 5. 正解。精神分析療法は、フロイトによって創始された治療法で、患者の無意識下に存在する抑圧された感情や記憶、葛藤を、自由連想や夢分析などを通じて意識化し、それを患者自身が洞察・理解することで精神症状の根本的な解決を目指します。設問の「無意識的な葛藤を洞察して精神症状を和らげようとする」という記述に最も合致する治療法です。
国試ポイント
精神療法に関する基本的な知識、特に各療法の目的とメカニズムを正確に理解しているかが問われる問題です。精神分析療法の核心的な概念である「無意識」「葛藤」「洞察」を理解しているかが重要です。
混同注意
無意識に働きかけるという点で催眠療法や芸術療法と混同しやすいですが、精神分析療法は「洞察」による根本的な解決を目指す点が特徴です。行動療法や自律訓練法は、アプローチが根本的に異なるため、混同は少ないかもしれません。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の主要な精神療法の具体的な目的や技法、あるいは理論的背景と結びつけて問われる可能性が高いです。例えば、「認知行動療法の特徴として適切なのはどれか」や「来談者中心療法の治療的条件はどれか」といった形式が考えられます。
関連知識
主要な精神療法の目的、適応、具体的な技法(例:行動療法の曝露療法、認知行動療法の認知再構成法、来談者中心療法の共感的理解など)を理解しておくことが重要です。また、フロイトの精神分析理論の主要概念(イド、エゴ、スーパーエゴ、防衛機制など)も関連知識として必要です。