失語症分類と特徴の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ブローカ失語は、前頭葉のブローカ野の損傷によって生じる非流暢性失語です。発話のプロソディーや構音に障害が見られ、発話量が少なく、努力性・拙劣な話し方になります(非流暢)。しかし、言語理解能力は比較的保たれており、軽度から中等度の障害にとどまることが多いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ブローカ失語は典型的に非流暢性失語とされ、発話が困難になりますが、言語理解能力は比較的保たれているか、軽度から中等度の障害にとどまります。重度になることは稀です。選びやすい理由:ブローカ失語の「理解障害」の程度を具体的に覚えていない場合、他の選択肢に目移りしやすい。混同注意:他の失語症タイプと理解障害の程度を混同しやすい。
- 2. ウェルニッケ失語は流暢性失語ですが、言語理解能力は重度に障害されます。正しくは:ウェルニッケ失語:流暢な発話をしますが、言語理解能力は重度に障害されます。選びやすい理由:流暢性である点だけを見て、理解も良好と誤解しやすい。混同注意:流暢性失語のウェルニッケ失語と、非流暢性失語で理解が比較的良好なブローカ失語を混同しやすい。
- 3. 健忘失語は流暢性失語に分類され、物品呼称困難が主症状ですが、言語理解能力は一般的に良好です。非流暢ではありません。正しくは:健忘失語:流暢であり、言語理解能力は良好です。選びやすい理由:健忘失語の呼称困難を「言葉が出にくい=非流暢」と誤解しやすいが、流暢性失語に分類される。混同注意:言葉が出にくいという特徴から非流暢失語と混同しやすい。
- 4. 超皮質性運動失語は非流暢性失語に分類されます。重度の発話障害(非流暢)がありますが、自発話が減少し、復唱は比較的保たれる特徴があります。流暢ではありません。正しくは:超皮質性運動失語:非流暢であり、発話障害は重度です。選びやすい理由:「運動失語」という名称から、運動面(発話)の障害が強いことは認識できるが、その流暢性分類を誤解しやすい。混同注意:ブローカ失語に似ているが、復唱が保たれる点で異なる。流暢/非流暢の分類を混同しやすい。
- 5. 伝導失語は流暢性失語に分類されます。復唱の障害が特徴的で、言語理解は比較的良好に保たれます。非流暢ではありません。正しくは:伝導失語:流暢であり、言語理解能力は比較的良好ですが、復唱能力は中等度から重度に障害されます。選びやすい理由:復唱障害が特徴的であるため、その重症度から全体的な流暢性や理解能力も重度であると誤解しやすい。混同注意:他の流暢性失語と復唱能力、理解能力の相対的な障害程度を混同しやすい。
国試ポイント
失語症の分類(流暢性、理解能力、復唱能力の3要素)と、それぞれの典型的な失語症タイプ(ブローカ、ウェルニッケ、伝導、健忘、超皮質性など)の主要な特徴を正確に組み合わせられるかどうかが問われる。特に、流暢性失語と非流暢性失語の区別、および各失語症タイプでの理解能力の程度が重要。
混同注意
各失語症タイプの流暢性、理解、復唱の障害パターンを混同しやすい。特に、ブローカ失語とウェルニッケ失語は対照的だが、理解障害の程度が「軽~中等度」という表現を正確に把握していないと迷う可能性がある。健忘失語が「流暢性」失語であること、超皮質性運動失語が「非流暢性」失語であることも混同しやすいポイント。
次に同じ論点が出たら
今後も失語症の分類と特徴は頻出論点である。流暢性、理解、復唱の3要素に加えて、呼称困難、音韻性錯語、語義性錯語などの詳細な症状と、各失語症タイプとの関連性が問われる可能性がある。また、失語症の重症度評価スケール(WAB失語症検査、標準失語症検査など)や、各タイプの神経心理学的検査所見について問われる可能性もある。
関連知識
失語症の神経解剖学的基盤(ブローカ野、ウェルニッケ野、弓状束など)、皮質性失語と超皮質性失語の違い、純粋失語(純粋失読、純粋失書など)との鑑別。