スパイログラムを図に示す。予備呼気量はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
スパイログラムにおいて、予備呼気量(ERV)は安静呼気位からさらに努力して吐き出すことのできる最大の空気量を指します。図中の④は、安静呼気位(一回換気量の底辺)からさらに下に吐き出される部分を示しており、これが予備呼気量の定義に合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. ①は1回の換気で吸い込む量である一回換気量(Tidal Volume: TV)を示しています。正しくは:①は一回換気量(TV)です。選びやすい理由:呼吸運動の基本となる量であり、目に付きやすいですが、予備呼気量とは異なります。混同注意:一回換気量(TV)と予備呼気量(ERV)を混同しやすいです。TVは安静呼吸時の吸気・呼気量、ERVは安静呼気後にさらに吐き出せる量です。
- 2. ②は安静吸気からさらに吸い込める最大の空気量である予備吸気量(Inspiratory Reserve Volume: IRV)を示しています。正しくは:②は予備吸気量(IRV)です。選びやすい理由:呼気と対になる吸気の予備量なので、迷う可能性があります。混同注意:予備吸気量(IRV)と予備呼気量(ERV)を混同しやすいです。IRVは最大吸気時に動員される量、ERVは最大呼気時に動員される量です。
- 3. ③は最大吸気位から最大呼気位まで動かせる空気の総量である肺活量(Vital Capacity: VC)を示しています。正しくは:③は肺活量(VC)です。選びやすい理由:肺活量は呼吸機能検査で非常に重要な指標であり、注目されやすいですが、特定の肺気量ではありません。混同注意:肺活量(VC)と予備呼気量(ERV)を混同しやすいです。VCはIRV+TV+ERVの合計量です。
- 4. 正解。④は安静呼気位からさらに努力して吐き出すことのできる最大の空気量であり、予備呼気量(Expiratory Reserve Volume: ERV)を示しています。これは定義通りです。正しくは:正解の選択肢です。選びやすい理由:特になし。定義を理解していれば正答できます。混同注意:予備吸気量(IRV)や一回換気量(TV)と混同しやすいです。
- 5. ⑤は最大呼気努力後も肺内に残る空気の量である残気量(Residual Volume: RV)を示しています。正しくは:⑤は残気量(RV)です。選びやすい理由:呼吸運動の最下点にある量なので、予備呼気量の範囲と勘違いしやすいかもしれません。混同注意:残気量(RV)と予備呼気量(ERV)を混同しやすいです。ERVは吐き出せる量、RVは吐き出せない量です。
国試ポイント
呼吸生理学における肺気量分画の定義とスパイログラム上での位置を正確に理解しているかが問われます。特に、一回換気量、予備吸気量、予備呼気量、残気量、およびそれらを組み合わせた肺活量、機能的残気量、全肺気量といった各用語とスパイログラム波形の対応が重要です。
混同注意
肺気量分画の各要素(一回換気量、予備吸気量、予備呼気量、残気量)は混同しやすく、特に「予備」という言葉が付く予備吸気量と予備呼気量は名称が似ているため注意が必要です。また、これらの総和である肺活量や機能的残気量なども併せて理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各肺気量分画の定義とスパイログラム上の位置だけでなく、それらの異常が示す病態(例:閉塞性肺疾患でのERV減少、拘束性肺疾患でのVC減少など)や、機能的残気量(FRC = ERV + RV)などの複合的な指標が問われる可能性があります。
関連知識
肺気量分画、呼吸仕事量、閉塞性換気障害と拘束性換気障害におけるスパイログラムの変化、ピークフロー、努力性肺活量(FVC)、1秒量(FEV1)。