脳卒中の評価法とそれに含まれる項目の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)は、脳卒中患者の機能障害を多角的に評価するために開発されたツールであり、その評価項目には運動機能、感覚、高次脳機能、そして体幹機能が明確に含まれています。SIASの体幹機能評価は、脳卒中後の体幹の安定性や運動能力を把握し、ADLや歩行能力への影響を評価するために重要な項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. JSSADL(Japan Stroke Society ADL Scale)は、脳卒中患者の日常生活活動(ADL)を評価するための尺度であり、バランス機能そのものを直接評価する項目は含まれていません。ADLの遂行にはバランス能力が不可欠ですが、JSSADLはADLの自立度を評価するものです。正しくは:JSSADL - 食事選びやすい理由:日常生活動作にはバランス能力が大きく関与するため、ADL評価尺度であるJSSADLにバランス機能も含まれていると誤解しやすいです。混同注意:特定の機能(バランス)を直接測定する能力評価と、その機能が統合された結果として現れるADL評価との違い。
- 2. mRS(modified Rankin Scale)は、脳卒中後の全体的な障害の重症度や自立度を評価する尺度であり、特定の機能(例:バランス機能)を詳細に評価する項目は含まれていません。mRSは、症状による日常生活への影響度を0から6の7段階で示します。正しくは:mRS - 障害の重症度選びやすい理由:mRSが患者の全体的な機能状態を評価するため、詳細な運動機能まで網羅していると錯覚しやすいです。混同注意:全体的な機能予後や自立度を評価する尺度と、特定の身体機能を詳細に評価する尺度。
- 3. FMA(Fugl-Meyer Assessment)は、脳卒中後の運動機能(上肢・下肢)、感覚、関節可動域などを詳細に評価し、回復の質を測る尺度ですが、歩行速度は直接的な評価項目には含まれません。歩行速度は通常、ストップウォッチなどを用いた時間測定により評価されます。正しくは:FMA - 運動機能(下肢)選びやすい理由:FMAが下肢の運動機能を評価するため、歩行に関する項目も含まれると考えやすいです。混同注意:運動機能の質を評価するFMAと、運動の量や効率を評価する項目(例:歩行速度や歩行距離)。
- 4. 正解。SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)は、脳卒中後の運動機能、感覚、関節可動域、筋緊張、高次脳機能、体幹機能など多岐にわたる項目を評価する包括的な尺度であり、体幹機能は明確にその評価項目の一つとして含まれています。
- 5. NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)は、脳卒中急性期の神経学的重症度を評価する尺度で、意識レベル、眼球運動、視野、顔面麻痺、運動機能、運動失調、感覚、言語、構音、無視などが評価されますが、関節可動域は含まれません。関節可動域の評価は、通常、理学療法評価において別途行われる項目です。正しくは:NIHSS - 運動機能(上肢)選びやすい理由:NIHSSが運動機能の評価を含むため、身体の細かな関節の機能まで含まれると誤解しやすいです。混同注意:急性期の神経学的欠損の有無や程度を評価するNIHSSと、より詳細な身体機能や関節の状態を評価する項目。
国試ポイント
脳卒中患者の主要な評価尺度(JSSADL、mRS、FMA、SIAS、NIHSSなど)について、それぞれの尺度がどのような目的を持ち、具体的にどのような評価項目を含んでいるかを正確に理解しているかが問われます。特に、各評価尺度の特徴と、特定の身体機能がその尺度に直接含まれるかどうかの知識が重要です。
混同注意
各評価尺度が包括的なものであるため、その中に特定の機能(例:バランス、歩行速度、関節可動域)が自動的に含まれていると安易に考えてしまう点が混乱しやすいです。各尺度の目的と評価項目の具体的な範囲を正確に把握する必要があります。
次に同じ論点が出たら
もし次に同じ論点が出た場合、各評価尺度の具体的な評価項目リストを思い出し、問われている機能がその尺度の直接的な評価対象であるか、それとも間接的に影響する要素であるかを判断することが重要です。特に「〜機能」といった大分類だけでなく、その中にある具体的な動作や能力をイメージできるかが鍵となります。
関連知識
JSSADL(日常生活動作評価)、mRS(障害の重症度と自立度)、FMA(運動機能の回復度)、SIAS(運動・感覚・高次脳・体幹機能など多角的評価)、NIHSS(急性期神経学的重症度)。これらの尺度はそれぞれ異なる目的と評価項目を持つため、目的別に使い分けられます。