解剖学的“嗅ぎタバコ入れ”で触診できるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
解剖学的“嗅ぎタバコ入れ”(anatomical snuff box)は、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間のくぼみで、橈骨動脈が通過します。このくぼみの底を形成しているのは主に舟状骨であり、その近位部が触知できます。そのため、舟状骨は解剖学的嗅ぎタバコ入れで触診可能な骨として重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 月状骨は手根骨の近位列に位置しますが、解剖学的嗅ぎタバコ入れの底を形成する骨ではありません。この部位からは通常触診できません。正しくは:月状骨は手根骨の近位列にあり、橈骨と関節を形成しますが、嗅ぎタバコ入れとは直接関係ありません。選びやすい理由:手関節周辺の重要な骨であり、他の手根骨と混同しやすいかもしれません。混同注意:舟状骨(scaphoid bone)と混同することがあります。舟状骨は橈骨と月状骨の間に位置し、嗅ぎタバコ入れの底を形成する骨です。
- 2. 三角骨は手根骨の近位列に位置し、小指側にあります。解剖学的嗅ぎタバコ入れは橈骨側にあり、三角骨はこの部位からは触診できません。正しくは:三角骨は手根骨の尺側近位に位置し、豆状骨のすぐ近傍にあります。選びやすい理由:同じく手関節周辺の骨であるため、知識が曖昧だと誤って選択する可能性があります。混同注意:他の手根骨、特に橈骨側の骨と混同しやすいです。
- 3. 正解。解剖学的“嗅ぎタバコ入れ”の底は、主に舟状骨によって形成されています。このため、このくぼみでは舟状骨を触診することが可能です。正しくは:舟状骨は、解剖学的嗅ぎタバコ入れの底を構成する主要な骨であり、この部位で触診できます。選びやすい理由:他の手根骨も手関節周囲に多く存在するため、正確な知識がないと迷うことがあります。混同注意:月状骨や大菱形骨など、隣接する手根骨と混同することがあります。
- 4. 小菱形骨は手根骨の遠位列に位置し、第2中手骨と関節を形成します。解剖学的嗅ぎタバコ入れの底を構成する骨ではなく、この部位からは触診できません。正しくは:小菱形骨は手根骨の遠位列にあり、嗅ぎタバコ入れの部位からは触診できません。選びやすい理由:手根骨の一部であるため、知識の曖昧さから選んでしまう可能性があります。混同注意:大菱形骨(trapezium)と混同しやすいです。大菱形骨は母指のCM関節を形成し、舟状骨のすぐ遠位に位置しますが、嗅ぎタバコ入れの底は舟状骨です。
- 5. 有頭骨は手根骨の中で最も大きく、遠位列の中央に位置します。主に第3中手骨と関節を形成し、解剖学的嗅ぎタバコ入れの底からは触診できません。正しくは:有頭骨は手根骨の遠位列中央に位置し、嗅ぎタバコ入れの部位からは触診できません。選びやすい理由:手根骨の中でも存在感が大きいため、知識が不確かな場合に誤って選択する可能性があります。混同注意:他の遠位手根骨、特に小菱形骨や大菱形骨と混同しやすいです。
国試ポイント
解剖学的“嗅ぎタバコ入れ”の解剖学的特徴と、その部位で触知できる構造物(特に骨)に関する知識が問われています。橈骨動脈の触知や、舟状骨骨折時の圧痛部位としても重要なランドマークです。
混同注意
手根骨は種類が多く、位置関係を混同しやすいです。特に舟状骨と月状骨、大菱形骨と小菱形骨は、名称が似ているため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、解剖学的“嗅ぎタバコ入れ”の境界を構成する腱(長母指伸筋腱、短母指伸筋腱、長母指外転筋腱)や、通過する血管(橈骨動脈)や神経(橈骨神経の浅枝)についても問われる可能性が高いです。また、この部位の臨床的意義(舟状骨骨折の診断など)も確認しておくと良いでしょう。
関連知識
解剖学的“嗅ぎタバコ入れ”の境界:内側は長母指伸筋腱、外側は短母指伸筋腱と長母指外転筋腱。底は舟状骨と大菱形骨の一部。内容物は橈骨動脈、橈骨神経の浅枝、頭側皮静脈。舟状骨骨折の際に、この部位に圧痛が認められることが診断の手がかりとなります。