等張性運動について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
等張性運動は筋肉が収縮しながら長さが変化する運動であり、収縮と弛緩が繰り返されるため、血管が圧迫される時間が短く、筋ポンプ作用により血流が増加しやすい。これにより、等尺性運動と比較して収縮中の筋血流が増加しやすいという利点がある。
選択肢ごとの解説
- 1. 等張性運動では、運動負荷や関節可動域内の位置によって筋力発揮が変化するため、関節の角速度は常に一定ではありません。正しくは:関節の角速度は一定ではありません。選びやすい理由:「等」という言葉から、何らかの要素が一定であると誤解しやすい。混同注意:等速性運動(アイソキネティック運動)は、運動速度(角速度)が一定である運動であるため、これと混同しやすい。等張性運動では張力は一定に近いが、速度は一定ではない。
- 2. 等尺性運動は筋肉が収縮しても長さが変わらないため、血管が長時間圧迫されやすく、末梢血管抵抗が増加し、血圧が上昇しやすい傾向があります。一方、等張性運動では血圧上昇は比較的緩やかです。正しくは:等尺性運動は、等張性運動と比較して血圧が上昇しやすい傾向があります。選びやすい理由:運動負荷が大きければ血圧が上昇するという一般的な理解から、等張性運動でも血圧上昇が大きいと誤解しやすい。混同注意:運動の種類による血圧応答の違いを混同。特に「バルサルバ効果」のような呼吸法が等尺性運動時の血圧上昇を助長することを忘れやすい。
- 3. 正解。等張性運動では、筋肉が収縮と弛緩を繰り返すため、筋ポンプ作用により血管の圧迫と解放が交互に行われ、筋血流が増加しやすいです。一方、等尺性運動では筋肉が持続的に収縮するため、血管が圧迫され筋血流が阻害されやすいです。選びやすい理由:正しい記述であるため、適切な選択肢として判断しやすい。混同注意:等尺性運動では筋血流が阻害されるという事実と、等張性運動では筋血流が増加するという事実を明確に区別できていない場合。
- 4. 心拍数は、運動の種類だけでなく運動強度や運動量、自律神経活動など多くの要因によって変化します。等張性運動は等尺性運動に比べて、より大きな全身運動になりやすく心拍数増加を招きやすい傾向にありますが、一概にどちらがより心拍数が増加しやすいとは言えず、運動強度に依存します。一般的に等尺性運動も心拍数を増加させますが、特に血圧上昇と合わせて心臓への負担が大きくなることがあります。しかし、この記述では「心拍数」のみに焦点を当てており、等張性運動が「より」増加しやすいと断定するのは適切ではありません。正しくは:運動強度や種類によって心拍数の応答は異なり、一概に等張性運動の方が増加しやすいとは言えません。等尺性運動も心拍数を増加させます。選びやすい理由:等張性運動は活動量が多いように見えるため、心拍数もより増加すると想像しやすい。混同注意:運動の種類と心拍数応答の一般的な関連性を、常に絶対的なものとして捉えてしまう。運動強度や個々の状況によって変動することを考慮できていない。
- 5. 一定の負荷に対して姿勢を保持するときに生じる運動は、筋肉が収縮しているが長さが変化しない運動であり、これは等尺性運動(アイソメトリック運動)の定義です。等張性運動は筋肉の長さが変化する運動です。正しくは:一定の負荷に対して姿勢を保持するときに生じる運動は、等尺性運動です。選びやすい理由:運動の種類に関する基本的な知識が不確かな場合、等張性運動の定義と混同しやすい。混同注意:等張性運動と等尺性運動の定義を混同している。特に、「姿勢保持」というキーワードが等尺性運動を指すことを理解できていない場合。
国試ポイント
等張性運動と等尺性運動の特徴、特に循環動態への影響と筋血流の変化を理解する。
混同注意
等張性運動と等尺性運動、および求心性運動と遠心性運動の違いを混同しやすい。特に血圧上昇や心拍数増加といった循環応答については、運動の種類と強度によって異なることを理解する。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合は、各運動様式における筋肉の長さ変化と張力の関係、およびそれに伴う筋血流や循環動態(血圧、心拍数)の生理的応答の違いに着目して判断する。
関連知識
等張性運動(コンセントリック・エキセントリック)と等尺性運動(アイソメトリック)の定義。それぞれの運動が心血管系に与える影響(血圧、心拍数、心拍出量、筋血流)の違い。リハビリテーションにおけるこれらの運動の応用。