Duchenne型筋ジストロフィーで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Duchenne型筋ジストロフィーは、X連鎖劣性遺伝による疾患で、2~5歳頃に発症し、学童期には特徴的な症状(歩行困難、ガワーズ徴候など)が顕著になることが多いです。心筋障害も高頻度に見られ、主要な死亡原因の一つです。下肢には主に屈曲拘縮(足関節の尖足など)が生じます。原因は、筋形質膜に存在するジストロフィンタンパク質の欠損です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Duchenne型筋ジストロフィーは、通常2~5歳頃に発症し、歩行障害などで学童期にその症状が顕著になることが多いです。これは、学童期に筋力の低下が明らかになり、診断に至るケースが多いためです。
- 2. Duchenne型筋ジストロフィーでは、心筋障害(拡張型心筋症など)は非常に高頻度で発生し、死亡原因の一つとなることも珍しくありません。稀ではありません。正しくは:心筋障害は高頻度に認められます。選びやすい理由:筋ジストロフィーという名称から、骨格筋のみに焦点を当ててしまいがちですが、心筋も障害の対象となります。混同注意:筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、他の神経筋疾患との合併症の頻度に関する知識。
- 3. Duchenne型筋ジストロフィーでは、下肢、特に足関節では尖足(底屈拘縮)、股関節では屈曲拘縮、膝関節では屈曲拘縮など、屈筋側に拘縮が生じやすい傾向があります。伸展拘縮は稀です。正しくは:下肢に屈曲拘縮(例:足関節の尖足)をきたすことが多いです。選びやすい理由:拘縮自体は発生するため、どの方向の拘縮かを見落としやすい。混同注意:脳卒中後遺症など、中枢神経疾患による痙性や拘縮のパターンとの混同。
- 4. Duchenne型筋ジストロフィーは、X染色体上に存在するジストロフィン遺伝子の異常によって引き起こされるX連鎖劣性遺伝形式をとります。常染色体劣性遺伝ではありません。正しくは:X連鎖劣性遺伝です。選びやすい理由:劣性遺伝という部分は合っているため、常染色体とX染色体の区別が曖昧だと誤って選択しやすい。混同注意:他の遺伝形式(例:筋強直性ジストロフィーの常染色体優性遺伝)との混同。
- 5. Duchenne型筋ジストロフィーは、筋形質膜(筋細胞膜)にジストロフィンタンパク質が『欠損している』ことが特徴です。そのため、正常なジストロフィンタンパク質はほとんど見られません。正しくは:筋形質膜にジストロフィンタンパク質が『欠損している』ことが特徴です。選びやすい理由:ジストロフィンという言葉が入っているため、関連性から正しいと錯覚しやすい。ジストロフィンが『ない』ことが病態であることを忘れていると誤る。混同注意:Becker型筋ジストロフィー(異常なジストロフィンが少量存在)との混同や、ジストロフィンそのものの機能についての理解不足。
国試ポイント
Duchenne型筋ジストロフィーの基本的な臨床像、遺伝形式、病理学的特徴、合併症について正確な知識が問われています。特に、発症年齢、遺伝形式、心筋障害の有無、拘縮の方向、そしてジストロフィンタンパク質の『欠損』という核心的な病態を理解しているかがポイントです。
混同注意
Becker型筋ジストロフィーとの鑑別(発症時期、重症度、ジストロフィンの質・量)、他の筋疾患(筋強直性ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症など)との特徴の違い。
次に同じ論点が出たら
Duchenne型筋ジストロフィーの病態生理、検査所見、治療、予後に関する詳細な知識。特に、各合併症(呼吸器、心臓、骨格系)への対策や、リハビリテーション介入の具体的内容が問われる可能性が高い。
関連知識
ガワーズ徴候、偽性肥大、血清CK値の上昇、遺伝カウンセリング、治療法(ステロイド療法、新規治療薬)、呼吸筋・心筋管理。