5歳6か月の男児。脳性麻痺。歩行補助具を用いず屋外歩行が可能であるが、階段昇降時は手すりを必要とする。GMFCSのレベルはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
この男児は5歳6か月であり、GMFCSの年齢区分では「4歳~6歳」に該当します。この年齢区分におけるGMFCSレベルIIの基準は「屋内・屋外を歩行し、階段は手すりを使用する。屋外や地域社会での歩行に制限がある」とされています。設問の記述「歩行補助具を用いず屋外歩行が可能であるが、階段昇降時は手すりを必要とする」は、このレベルIIの基準に完全に合致するため、正答は2となります。
選択肢ごとの解説
- 1. レベルIは、屋内・屋外ともに補助なしで階段昇降を含め、制限なく歩行できる状態を指します。この男児は階段昇降時に手すりが必要なため、レベルIではありません。正しくは:階段昇降時にも手すりを必要とせず、走ったりジャンプしたりするような粗大運動も問題なく行える場合。選びやすい理由:屋外歩行が補助具なしで可能という点に注目すると、レベルIに近いと感じるかもしれませんが、階段昇降の制限を見落とすと誤答につながります。混同注意:GMFCSレベルIIとの区別。レベルIは「制限なく」屋外歩行や階段昇降ができる。
- 2. 正解。この男児は5歳6か月で、補助具なしで屋外歩行が可能ですが、階段昇降時には手すりが必要です。これはGMFCSの4歳~6歳カテゴリにおいて、レベルIIの「屋内・屋外を歩行し、階段は手すりを使用する。屋外や地域社会での歩行に制限がある」という説明と完全に一致します。
- 3. レベルIIIは、屋内・屋外で歩行補助具(歩行器や杖など)を使用して歩行する状態を指します。この男児は補助具なしで屋外歩行が可能なため、レベルIIIではありません。正しくは:屋内・屋外で歩行補助具を使用して歩行している場合。選びやすい理由:屋外での移動に何らかの制限があると感じると、レベルIIとIIIで迷うかもしれませんが、「補助具なし」という点がレベルIIIとの決定的な違いです。混同注意:GMFCSレベルIIとの区別。レベルIIIは「歩行補助具を使用」する点が特徴。
- 4. レベルIVは、自力での移動能力が限られ、電動車いすを利用したり、介助が必要となる状態を指します。この男児は補助具なしで屋外歩行が可能なため、レベルIVではありません。正しくは:自力での移動能力が著しく制限され、電動車いすや介助による移動が主となる場合。選びやすい理由:重度の機能制限があると考えてしまうと、選択肢として考慮するかもしれませんが、提示された情報とはかけ離れています。混同注意:GMFCSレベルIIIとの区別。レベルIVは自力歩行がさらに困難で、電動車いすなどが主となる。
- 5. レベルVは、すべての移動において重度の制限があり、介助や特殊な機器なしには頭部や体幹の制御ができない状態を指します。この男児は補助具なしで屋外歩行が可能なため、レベルVではありません。正しくは:すべての移動において重度の制限があり、他者の介助や特別な補助具なしでは頭部・体幹の制御が困難な場合。選びやすい理由:脳性麻痺の最も重度な状態を想像してしまうと、選択肢として挙がるかもしれませんが、提示された情報とは大きく異なります。混同注意:GMFCSレベルIVとの区別。レベルVは頭部・体幹の制御も困難で、移動手段の選択肢がさらに限定される。
国試ポイント
GMFCS(粗大運動能力分類システム)の各レベルにおける年齢別の具体的な動作能力基準を正確に理解しているかを問う問題です。特に、補助具の有無や階段昇降の状況など、具体的な機能描写から適切なレベルを判断する能力が求められます。
混同注意
GMFCSのレベルIとレベルII、およびレベルIIとレベルIIIが混同しやすいポイントです。レベルIは階段昇降も補助なしで可能、レベルIIは階段昇降に手すりが必要、レベルIIIは歩行補助具(歩行器や杖)を使用するという違いを把握しておくことが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、まず対象者の「年齢」を確認し、それに合致するGMFCSの年齢区分での各レベルの具体的な基準を想起します。特に「歩行補助具の有無」「屋内・屋外の歩行能力」「階段昇降の状況」「移動距離や地域社会での参加」といったキーワードに注目し、どのレベルに最も近いかを見極めます。
関連知識
GMFCSは、脳性麻痺児の粗大運動能力を年齢別に5段階で評価する国際的な分類システムです。子どもの現在の能力を客観的に示すだけでなく、長期的な運動能力の予後予測にも用いられます。年齢によって同じレベルでも具体的な動作の記述が異なるため、各年齢区分の特徴を理解しておく必要があります。特に2歳未満、2-4歳、4-6歳、6-12歳、12-18歳の区分の把握が重要です。