後大脳動脈から分枝する血管に栄養されているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
後大脳動脈は脳底動脈の終枝であり、主に視床、後頭葉、側頭葉の内側面から下面、脳幹の一部、脈絡叢などに血液を供給します。特に視床への血流供給は、後大脳動脈から分岐する視床穿通動脈(thalamoperforating arteries)や後内側脈絡動脈(posteromedial choroidal arteries)によって行われます。選択肢のうち、これらに支配されているのは視床のみです。他の選択肢である被殻、淡蒼球、尾状核、扁桃体は大脳基底核や辺縁系の一部であり、主に前大脳動脈、中大脳動脈、またはそれらから分岐するレンズ核線条体動脈や前脈絡動脈によって栄養されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。視床は、後大脳動脈から分岐する視床穿通動脈や後内側脈絡動脈などによって主に栄養されます。これらの動脈は視床の様々な核に血液を供給しており、後大脳動脈の重要な支配領域の一つです。
- 2. 被殻は、主に中大脳動脈から分岐するレンズ核線条体動脈によって血液供給を受けます。正しくは:被殻は、中大脳動脈の分枝であるレンズ核線条体動脈によって栄養されます。選びやすい理由:大脳基底核の一部であり、脳の深部にあるため、後大脳動脈の深部穿通枝による供給と誤解されやすいかもしれません。混同注意:視床や他の大脳基底核の血流支配と混同しやすいです。特に、深部の構造が全て同じ血管に支配されていると思い込みやすいです。
- 3. 淡蒼球は、主に中大脳動脈から分岐するレンズ核線条体動脈と、内頸動脈や中大脳動脈から分岐する前脈絡動脈によって血液供給を受けます。正しくは:淡蒼球は、主に中大脳動脈の分枝であるレンズ核線条体動脈や前脈絡動脈によって栄養されます。選びやすい理由:被殻と同様に大脳基底核の深部構造であるため、後大脳動脈の支配と誤認される可能性があります。混同注意:他の大脳基底核(被殻、尾状核)や視床の血流支配と混同しやすいです。
- 4. 尾状核の大部分は、前大脳動脈から分岐する回帰動脈(Heubner動脈)や中大脳動脈から分岐するレンズ核線条体動脈によって血液供給を受けます。尾部の一部は前脈絡動脈によっても栄養されます。正しくは:尾状核は、主に前大脳動脈の分枝であるHeubner動脈や中大脳動脈の分枝であるレンズ核線条体動脈によって栄養されます。選びやすい理由:やはり大脳基底核の一部であり、脳の深部にあるため、後大脳動脈の支配であると推測してしまうかもしれません。混同注意:前大脳動脈や中大脳動脈の深部穿通枝の支配領域と混同しやすいです。
- 5. 扁桃体は、主に中大脳動脈の側頭枝や内頸動脈、中大脳動脈から分岐する前脈絡動脈によって血液供給を受けます。正しくは:扁桃体は、主に中大脳動脈の側頭枝や前脈絡動脈によって栄養されます。選びやすい理由:側頭葉の深部構造であるため、後大脳動脈の側頭枝による支配と誤解する可能性があります。混同注意:他の辺縁系構造や側頭葉の血流支配と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、脳の主要な動脈(特に後大脳動脈)とその主要な血液供給領域に関する基本的な解剖学的知識を問うものです。特に大脳深部の構造(視床、大脳基底核、辺縁系の一部)の血管支配を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
大脳動脈の名称が似ていたり、多くの深部構造が隣接していたりするため、どの動脈がどの部位を支配しているのかが混同しやすいです。特に、レンズ核線条体動脈が中大脳動脈の分枝であること、Heubner動脈が前大脳動脈の分枝であること、そして後大脳動脈が視床や後頭葉、側頭葉内側を主に支配することを区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、まず「どの主要動脈(前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈)が問われているか」を確認し、次に「提示された脳部位が、その主要動脈の典型的な支配領域であるか」を判断します。特に深部構造については、その部位を栄養する穿通枝がどの主要動脈から分岐しているかを正確に覚えておくことが重要です。
関連知識
・前大脳動脈の主要支配領域:大脳半球の内側面(前頭葉、頭頂葉)、帯状回、尾状核頭部、被殻の一部。 ・中大脳動脈の主要支配領域:大脳半球の外側面(前頭葉、頭頂葉、側頭葉)、被殻、淡蒼球、尾状核体部、内包、扁桃体。 ・前脈絡動脈の支配領域:海馬、扁桃体、淡蒼球、視床の一部、内包後脚、視放線、脈絡叢。