陽性転移はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
陽性転移とは、患者が過去の重要な人物(多くは親)に対して抱いていた愛情、尊敬、好意といった肯定的な感情を、治療過程で治療者に対して無意識的に向ける現象を指します。選択肢3は患者から医療者への好意的な感情の転移であり、これに該当します。他の選択肢は、医療者から患者への感情(逆転移)か、患者から医療者への否定的な感情(陰性転移)です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは医療者から患者への感情であり、逆転移の一種です。陽性転移は患者から医療者への感情の転移を指します。正しくは:患者がセラピストに過度に親密な感情を抱くようになる。選びやすい理由:「親密な感情」という言葉から、良い感情の転移と誤解しやすいため。混同注意:陽性転移と逆転移、特に陽性逆転移と混同しやすいです。
- 2. これは医療者から患者への感情であり、逆転移の一種です。陽性転移は患者から医療者への感情の転移を指し、この場合は陰性逆転移にあたります。正しくは:患者が医療従事者に対して怒りの感情を向ける。選びやすい理由:「怒り」という強い感情の移入であるため、転移現象の一部と捉えられやすいですが、方向性が異なります。混同注意:陽性転移と陰性転移、そして逆転移(陰性逆転移)と混同しやすいです。
- 3. 正解。陽性転移とは、患者が過去の重要な人物(親など)に対して抱いていた愛情や好意といった肯定的な感情を、治療者に対して無意識のうちに移し替える現象を指します。患者から医療者への好意はまさにこれに当たります。
- 4. これは患者から医療者への感情ですが、否定的・攻撃的な感情であるため、陰性転移に分類されます。陽性転移は肯定的な感情の転移です。正しくは:患者が治療スタッフに好意的な感情を抱くようになる。選びやすい理由:患者から医療者への強い感情の表出であるため、転移現象そのものとは認識されやすいですが、陽性か陰性かの区別がつきにくい可能性があります。混同注意:陽性転移と陰性転移を混同しやすいです。
- 5. これも患者から医療者への感情ですが、否定的・攻撃的な感情であるため、陰性転移に分類されます。陽性転移は肯定的な感情の転移です。正しくは:患者が担当の医療者に対して強い好意を抱く。選びやすい理由:「嫌悪感」という強い感情から、転移であること自体は理解しやすいですが、その種類(陽性か陰性か)を誤る可能性があります。混同注意:陽性転移と陰性転移を混同しやすいです。
国試ポイント
転移と逆転移の基本的な定義とその分類(陽性・陰性)について、具体例を通じて理解しているかを問う問題です。特に、誰から誰への感情か、感情の種類(肯定的か否定的か)が重要です。
混同注意
陽性転移と陰性転移、そして逆転移(陽性逆転移、陰性逆転移)を混同しやすいです。特に、転移の主体が患者であるか医療者であるかの区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、転移・逆転移の定義だけでなく、それぞれの概念が治療過程に与える影響や、それに対する医療者の適切な対応(例:治療関係の活用、自己理解)について問われる可能性があります。また、具体的な臨床場面での転移の判別や対処法を問う応用問題も考えられます。
関連知識
精神分析的アプローチにおける治療関係の概念(転移、逆転移、抵抗)、リハビリテーションにおける治療的関係性、患者中心のケアの重要性、倫理的問題(二重関係の禁止など)。