中枢神経系の感染症と病原体の組合せで誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
急性灰白髄炎、通称ポリオは、ポリオウイルスが原因で発症する疾患であり、細菌が病原体ではありません。他の選択肢は、示された中枢神経系感染症とそれぞれの病原体(プリオン、ウイルス、スピロヘータ)との組み合わせが正確です。
選択肢ごとの解説
- 1. クロイツフェルト・ヤコブ病は、異常な構造を持つプリオン蛋白が脳に蓄積することで発症する、進行性の神経変性疾患です。したがって、この組み合わせは適切です。
- 2. エイズ脳症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が直接中枢神経系に感染し、その機能を障害することで引き起こされる病態です。HIVはウイルスの一種であるため、この組み合わせは適切です。
- 3. 進行麻痺は、梅毒の晩期合併症である神経梅毒の一形態であり、梅毒の病原体である梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)によって引き起こされます。梅毒トレポネーマはスピロヘータに分類される細菌であるため、この組み合わせは適切です。
- 4. 日本脳炎は、日本脳炎ウイルスによって引き起こされる急性ウイルス性脳炎です。主に蚊を介して感染が広がるため、この組み合わせは適切です。
- 5. 正解。急性灰白髄炎(ポリオ)は、ポリオウイルスによって引き起こされるウイルス性感染症です。この病気は脊髄の運動ニューロンがウイルスに感染することで弛緩性麻痺を来しますが、細菌が原因ではありません。正しくは:急性灰白髄炎(ポリオ)は「ウイルス」によって引き起こされます。選びやすい理由:一般的な感染症として認知度が高いポリオですが、病原体の種類まで正確に記憶していない場合、感染症=細菌という漠然とした知識から誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:ウイルス性疾患と細菌性疾患の区別。特に、感染症の多くが細菌によって引き起こされるという一般的な認識から、ポリオも細菌性であると誤解する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、主要な中枢神経系感染症について、その原因となる病原体がウイルス、細菌、プリオン、真菌などのどのタイプに属するかという基本的な知識を問うものです。特に、ウイルス性疾患と細菌性疾患の区別が重要になります。
混同注意
感染症の分類において、ウイルス性と細菌性の違いを混同しやすい点が挙げられます。また、スピロヘータのような特定の形態を持つ細菌が、一般的な細菌と区別されることで混乱することもあります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず病名を確認し、それがウイルス性、細菌性、真菌性、プリオン病、寄生虫病のいずれに分類されるかを判断します。特に、感染症名と病原体タイプの組み合わせで「誤っているもの」を問う形式では、一つでも不正確な知識があると誤答につながるため、正確な知識が必要です。例えば、狂犬病と細菌、結核性髄膜炎とウイルスなどの誤った組み合わせに注意が必要です。
関連知識
中枢神経系感染症には、髄膜炎(細菌性、ウイルス性、真菌性)、脳炎(ウイルス性など)、脳膿瘍(細菌性)、脊髄炎など多様な病態があります。それぞれの病態と病原体の組み合わせを理解しておくことが重要です。また、病原体の種類だけでなく、感染経路や症状、治療法についても関連知識として押さえておくべきです。