心臓について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ノルアドレナリンは交感神経系から放出され、心臓のβ1受容体に結合することで、心筋細胞内のサイクリックAMP(cAMP)濃度を上昇させ、カルシウムイオンの流入を促進します。これにより、心筋の収縮力が増強されます(陽性変力作用)。
選択肢ごとの解説
- 1. 心臓の収縮期には、心筋の圧迫により冠動脈は締め付けられ、血流が減少します。拡張期に心筋が弛緩することで冠動脈の血流が増加します。正しくは:冠動脈の血流は、心臓の拡張期に増加します。選びやすい理由:全身への血流は収縮期に増加するため、冠動脈も同様と誤解しやすい。混同注意:全身循環と冠循環の血流動態。
- 2. 心房は心室が収縮する直前に収縮し、心室への血液充満を補助します。心室は心房の収縮後に収縮を開始します。正しくは:左心房は左心室が収縮する前に収縮を開始します。選びやすい理由:心臓のポンプ機能として一体的に捉えがちだが、わずかな時間差がある。混同注意:心房と心室の収縮タイミングの前後関係。
- 3. フランク・スターリングの法則により、心筋がある程度伸張されると、収縮力は増加します。これは、心室に充満する血液量(前負荷)が増えるほど、次の収縮が強くなることを意味します。正しくは:心筋は伸張されると、ある程度の範囲で収縮力が増加します。選びやすい理由:骨格筋の過伸展による収縮力低下のイメージから、心筋も同様と誤解しやすい。混同注意:心筋と骨格筋の収縮特性の違い、およびフランク・スターリングの法則。
- 4. 心筋の収縮は、細胞内へのカルシウムイオン(Ca2+)の流入と、筋小胞体からのCa2+放出によって引き起こされます。水素イオンではありません。正しくは:心筋の収縮は、カルシウムイオン(Ca2+)の細胞内流入により生じます。選びやすい理由:イオンの流入が収縮に関与するという点は正しいので、イオンの種類を混同しやすい。混同注意:心筋収縮に関わるイオンの種類(Ca2+とH+)。
- 5. 正解。ノルアドレナリンは交感神経系の神経伝達物質であり、心臓のβ1受容体に作用して心拍数と心筋収縮力(陽性変力作用)を増加させます。選びやすい理由:特になし。正しい記述。混同注意:ノルアドレナリンとアセチルコリン(副交感神経)の心臓への作用。
国試ポイント
心臓の生理機能に関する基礎知識が問われています。特に、冠動脈の血流動態、心房・心室の収縮順序、フランク・スターリングの法則、心筋収縮のメカニズム(イオン)、自律神経系による心機能調節など、多岐にわたる重要なポイントが選択肢に含まれています。
混同注意
心筋収縮に関わるイオンの種類(Ca2+とH+)や、冠動脈血流のタイミング(収縮期/拡張期)。また、心筋と骨格筋の生理学的特性の違いも混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
心臓の基本的な生理機能(特に電気的・機械的活動、および自律神経による調節)を正確に理解しているかを確認します。各選択肢の誤りの理由を説明できるか、関連する生理学的法則やメカニズムを思い出せるかが重要です。
関連知識
心電図の波形と心臓の活動電位、不応期、心周期における各弁の開閉、心音の発生メカニズム、心拍出量の決定因子、心臓の電気的興奮伝導系。