即時記憶と関連があるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
即時記憶は、ごく短い時間(数秒から数十秒)情報を保持する能力を指します。選択肢1の「数字の順唱」は、提示された数字をすぐに復唱させることで、この一時的な情報保持容量を測定する代表的な方法です。他の選択肢は、数分から数年といった比較的長い期間の記憶を評価するものであり、即時記憶の範疇ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。数字の順唱(digit span forward)は、提示された情報を数秒から数十秒という極めて短い時間保持する能力、すなわち即時記憶(または短期記憶の保持容量)を評価するための代表的な方法です。覚えた情報を一時的に保持し、すぐに再生する能力を測ります。
- 2. 過去の社会的な事件に関する記憶は、数年あるいはそれ以前に生じた出来事に関するものです。これは長期記憶、特にエピソード記憶や意味記憶の評価に関連します。正しくは:即時記憶の評価としては不適切です。即時記憶は数秒から数十秒程度の極めて短い期間の情報保持能力を指します。選びやすい理由:記憶の評価ではあるものの、時間軸が即時記憶の範囲とは大きく異なるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:長期記憶(エピソード記憶、意味記憶)と混同しやすいです。即時記憶は保持時間がはるかに短いです。
- 3. 個人の人生における出来事(結婚の年齢)に関する記憶は、通常、数年から数十年前にさかのぼる情報です。これは長期記憶のエピソード記憶の評価に関連します。正しくは:即時記憶の評価としては不適切です。即時記憶はごく短時間の情報保持を指します。選びやすい理由:個人的な情報であるため、想起しやすいと感じるかもしれませんが、その保持期間は即時記憶の範疇を大きく超えます。混同注意:長期記憶(エピソード記憶)と混同しやすいです。特に、自己に関する記憶は鮮明に残りやすいですが、保持期間は長期記憶に該当します。
- 4. 昨夜の夕食のメニューに関する記憶は、数時間から半日ほど前の出来事に関するものです。これは長期記憶のエピソード記憶の評価に関連します。正しくは:即時記憶の評価としては不適切です。即時記憶は通常30秒以内程度の情報保持を指します。選びやすい理由:「つい最近のこと」という感覚から短期記憶と誤解するかもしれませんが、一晩経過した記憶は長期記憶の範疇に入ります。混同注意:短期記憶と混同しやすいですが、一晩経過した記憶はすでに長期記憶の範囲です。短期記憶は数秒から数分程度の情報保持を指します。
- 5. 3分という遅延を設けて情報を思い出させる課題は、遅延再生課題と呼ばれ、長期記憶、特にエピソード記憶の貯蔵と検索能力を評価するものです。正しくは:即時記憶の評価としては不適切です。即時記憶は即座の再生を伴うごく短時間の情報保持を指します。選びやすい理由:「言葉を覚える」という行為自体が記憶に関わるため、誘惑されやすいですが、遅延時間がポイントです。混同注意:短期記憶や即時記憶と混同しやすいですが、遅延時間が数分ある場合は長期記憶(遅延再生)の評価となります。即時記憶は遅延を伴いません。
国試ポイント
理学療法士国家試験において、記憶の種類(即時記憶、短期記憶、長期記憶、エピソード記憶、意味記憶など)と、それぞれの記憶を評価するための具体的な方法を結びつけて理解しているかが問われます。特に、時間軸の違いを正確に把握していることが重要です。
混同注意
即時記憶と短期記憶、短期記憶と長期記憶の区別が曖昧になりやすいです。即時記憶はごく短時間の感覚的な情報保持、短期記憶はそれよりやや長く、情報の操作を含む記憶、長期記憶は数分から生涯にわたる記憶と理解することが重要です。また、遅延再生は長期記憶の評価であることを押さえておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後類似の問題が出題された際は、まず問題文で問われている記憶の種類(即時、短期、長期、エピソードなど)を明確に特定します。次に、各選択肢がどの程度の時間軸で情報を扱っているか、また、単なる保持なのか、それとも操作が伴うのかを見極めることで、適切な評価方法を判断できます。
関連知識
記憶の評価尺度として、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)やMMSE(Mini-Mental State Examination)で用いられる記憶課題、ウェクスラー記憶検査(WMS)などがあります。それぞれの課題がどの記憶機能を評価しているかを理解しておくと良いでしょう。例:HDS-Rの3単語即時再生や遅延再生、MMSEの3単語想起。