我が国の自殺死亡率において年齢階級別で最も高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
厚生労働省が発表する人口動態統計や自殺の状況に関するデータ(例:令和4年中の自殺の状況)によると、日本では年齢階級別の自殺死亡率(人口10万人あたりの自殺者数)は、男性、女性ともに50歳代が最も高くなる傾向にあります。これは、壮年期から中年期にかけての経済問題、健康問題、職場のストレス、家族関係の変化など複合的な要因が関与していると考えられます。20歳代は死因の第1位が自殺であるため、最も高いと誤解されがちですが、これは「死因における割合」であり、「人口10万人あたりの死亡率」とは異なる点に注意が必要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 20歳代の自殺死亡率は、他の年代と比較して最も高いわけではありません。特に男性では、20代の自殺死亡率は他の年齢層と比較して高い傾向にありますが、全年齢層で最も高いわけではありません。正しくは:20歳代は自殺死亡率が比較的高い年代の一つですが、全年齢層で最も高いのは50歳代です。選びやすい理由:若年層の自殺が社会問題として頻繁に報道され、「15~39歳の死因の第1位が自殺」という事実があるため、最も高いと誤解しやすいかもしれません。混同注意:「若年層の死因の第1位が自殺」という情報と、「全年齢層で最も自殺死亡率が高い年齢層」という情報が混同されやすいです。
- 2. 30歳代の自殺死亡率は、全年齢層の中で最も高いわけではありません。正しくは:30歳代の自殺死亡率は高い傾向にありますが、全年齢層で最も高いのは50歳代です。選びやすい理由:仕事や家庭でのストレスが増大する年代であり、自殺リスクが高いという印象から選択してしまう可能性があります。混同注意:特定のライフステージにおけるストレス要因と、統計的に最も高い自殺死亡率を示す年齢層が混同されやすいです。
- 3. 40歳代の自殺死亡率は高いものの、統計的に全年齢層で最も高いのは50歳代です。正しくは:40歳代の自殺死亡率は高い水準にありますが、最も高いのは50歳代です。選びやすい理由:働き盛りの年代での経済的・精神的負担が大きいため、高いと考えてしまうかもしれません。混同注意:中年期のストレス要因が自殺死亡率の高さに直結すると誤解されがちですが、実際のピークは50代にあります。
- 4. 正解。厚生労働省が公表する最新の統計データ(例:人口動態統計、自殺の状況に関する資料)によると、日本における年齢階級別の自殺死亡率(人口10万人あたりの自殺者数)は、50歳代が最も高い傾向にあります。これは、職場の変化、経済的な問題、健康問題、家族関係の変化など、複数の要因が複合的に影響していると考えられています。
- 5. 60歳代の自殺死亡率は高い水準にありますが、最も高いのは50歳代です。高齢になるにつれて自殺死亡率は再び上昇する傾向がありますが、一般的には50代がピークとなります(ただし、男女別や年によって変動することもあります)。正しくは:60歳代の自殺死亡率は高いですが、最も高いのは50歳代です。選びやすい理由:高齢者の孤独感や健康問題がクローズアップされるため、高いと考えてしまうかもしれません。また、一部の年や性別では高齢者の自殺死亡率が非常に高い場合もあります。混同注意:高齢者の自殺問題の重要性と、全体の自殺死亡率のピークが50代であるという統計的事実が混同されやすいです。
国試ポイント
公衆衛生学における我が国の自殺に関する統計データの理解度を問う問題です。特に、自殺死亡率の年齢階級別推移という具体的な数値知識と、関連する社会背景を把握しているかを確認しています。若年層の自殺が死因の第1位であるという事実と、全年齢層で最も自殺死亡率が高い年齢層を区別できるかがポイントになります。
混同注意
20歳代の「死因の第1位が自殺である」という事実と、「自殺死亡率が全年齢層で最も高い」という誤解。年によって変動するデータや、男女別・特定のグループに限定したデータとの混同。国際的な自殺統計との混同。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、最新の厚生労働省や警察庁が公表する自殺に関する統計データ(特に「自殺死亡率」の年齢階級別推移、男女別の傾向、原因・動機の内訳など)を定期的に確認することが重要です。また、「死因の順位」と「死亡率」の違いを明確に理解しているか、特定の年代の課題(若年層、中年層、高齢層それぞれの自殺リスク要因)と結びつけて考えられるかが問われる可能性があります。
関連知識
自殺対策基本法、自殺総合対策大綱、自殺の危険因子と保護因子(精神疾患、経済問題、健康問題、孤立、家族問題など)、自殺予防に関する取り組み(ゲートキーパー養成、相談窓口、精神保健福祉に関する教育など)、年齢層別の死因統計。