刺鍼により痛みの悪循環を最も改善させるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
刺鍼による痛み改善には、侵害受容性疼痛のメカニズムと関連付けて理解することが重要です。特にNO(一酸化窒素)の放出は、血管拡張を介して局所の血流を改善し、発痛物質や炎症性物質の洗い出しを促進することで、痛みの悪循環(虚血→発痛物質蓄積→筋緊張亢進→さらに虚血)を効果的に改善させます。
選択肢ごとの解説
- 1. a運動ニューロンの興奮は筋収縮を引き起こすため、むしろ筋緊張を亢進させ、痛みの悪循環を悪化させる可能性があるため誤り。 正しくは:a運動ニューロンの興奮ではなく、筋紡錘からの求心性入力の抑制やγ運動ニューロン活動の調節が関与する場合もあるが、直接的な疼痛改善とは異なる。
- 2. 正解。NO(一酸化窒素)は血管内皮細胞から産生され、血管平滑筋を弛緩させることで血管を拡張させ、局所の血流を改善します。これにより、虚血状態が改善され、蓄積した発痛物質や炎症性物質が洗い流されるため、痛みの悪循環を最も効果的に改善させます。
- 3. プロスタグランジンは発痛物質の一つであり、その産生促進は痛みを増強させる方向に働くため、痛みの悪循環を改善させる作用とは逆であるため誤り。 正しくは:プロスタグランジンの産生抑制、またはその作用を拮抗させること。
- 4. 交感神経の興奮は血管収縮を引き起こし、局所の虚血を悪化させる可能性があります。また、交感神経の持続的な興奮は痛みを増悪させる因子となることがあるため誤り。 正しくは:交感神経の過剰な興奮を抑制すること。
国試ポイント
刺鍼による疼痛緩和機序の一つであるNOを介した血流改善と、それが痛みの悪循環に与える影響を理解する。
混同注意
NOの血管拡張作用と、神経伝達物質としての作用、あるいは他の発痛物質(プロスタグランジンなど)の機序を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
刺鍼による疼痛緩和機序を問う問題が出題された場合、局所の血流改善や発痛物質の除去、または神経系の抑制効果に関連する選択肢に着目して判断する。
覚え方
刺鍼による疼痛緩和機序を問う問題が出題された場合、局所の血流改善や発痛物質の除去、または神経系の抑制効果に関連する選択肢に着目して判断する。
対になる知識
NOの血管拡張作用と、神経伝達物質としての作用、あるいは他の発痛物質(プロスタグランジンなど)の機序を混同しやすい。
関連知識
痛みの悪循環:虚血→発痛物質(ブラジキニン、セロトニン、ヒスタミンなど)蓄積→筋緊張亢進→さらに虚血。また、ゲートコントロールセオリー、下行性疼痛抑制系、脊髄後角における情報処理など、他の疼痛緩和機序も合わせて理解すると良い。