過度な「怒」の感情によって気機が上逆しやすい肝の機能失調で、生じやすい病証はどれか。
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正解は1番
解説
五志の過度な「怒」は、気機を上逆させ、肝気を亢進させる。肝は目玉に開竅し、その経脈は頭頂部を巡り目系に連絡しているため、怒気の上逆によって肝陽上亢や肝火上炎を惹起すると、頭痛や顔面紅潮とともに、肝血が上部に十分行き届かなくなって目のかすみや視力低下といった眼症状が引き起こされやすい。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。五志の過度な「怒」は、気機を上逆させ、肝気を亢進させる。肝は目玉に開竅し、その経脈は頭頂部を巡り目系に連絡しているため、怒気の上逆によって肝陽上亢や肝火上炎を惹起すると、頭痛や顔面紅潮とともに、肝血が上部に十分行き届かなくなって目のかすみや視力低下といった眼症状が引き起こされやすい。
- 2. むくみは主に肺・脾・腎などの水液代謝失調によって生じる水邪の停滞である。怒による肝の気機上逆は主に頭面部への気血の逆上に作用するため、下焦の水腫やむくみの直接的な原因とはなりにくい。
- 3. 耳鳴りは肝陽上亢や肝火上炎などでも生じうる症状であり、怒による気の上逆に関連してみられることもある。本問ではより直接的に肝の経脈が上行して結ぶ目に関連する目のかすみが最も適切であるため不正解となる。
- 4. 息切れは主に肺の気虚や宗気不足などにより呼吸の気や力が不足して生じる症状である。怒による肝気の上逆や肝陽上亢では、頭部への気血の偏盛による頭痛やめまい、目のかすみなどが生じやすい。
国試ポイント
五志(怒・喜・思・悲・恐)と五臓(肝・心・脾・肺・腎)の対応、および各臓腑の開竅(目・舌・口・鼻・耳・二陰)を結びつけた出題が多い。
覚え方
怒りは肝を傷り、肝は目に開竅するから「目のかすみ」。
対になる知識
五志と五臓の対応は、怒は肝(目)に、喜は心(舌)に、思は脾(口)に、悲は肺(鼻)に、恐は腎(耳および二陰)にそれぞれ関連している。それぞれの情志が過度になると対応する臓腑の気を傷つけ、例えば怒りは肝気を上衝させ、悲しみは肺気を消耗させるなど、情志の変動が特定の臓腑の気機失調を直接引き起こす原因となる。
関連知識
「怒則気上」といわれるように、激しい怒りは気が上衝する病態を引き起こすため、頭面部の充血や頭痛、顔面紅潮、目のかすみなどの症状を惹き起こしやすい。肝は目を主り、怒りは肝気を損なって気血を上部に逆流させるため、眼科的症状や神経症状として表れやすく、七情内傷における典型的な病機の一つとして臨床で重視される。