病気の解説

クリプトコッカス症

まず相談する診療科感染症内科
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受診の目安

  • 頭痛が続く、首が痛い、まぶしさを強く感じる、ぼんやりする・言動がいつもと違う、といった症状があるとき(CDC)
  • せき、息切れ、胸の痛み、発熱があるとき(CDC)
  • HIV感染症、臓器移植後、ステロイドや免疫を抑える薬を使っているなど、免疫が弱まる状態の人に上のような症状が出たときは、早めに主治医に相談してください(MSDマニュアル家庭版)(日本感染症学会)

相談先は内科(呼吸器内科、感染症内科)です。頭痛や意識の変化が目立つときは神経内科などでの評価が必要になることがあります。これらの症状はほかの病気でも起こるため、症状だけで病名は判断できません。(CDC)

基本

クリプトコッカス症とは

クリプトコッカス症は、クリプトコッカスというカビの仲間(真菌)を吸い込むことで起こる感染症です(CDC)。まず肺に感染し、血液にのって全身に広がると、脳と脊髄を包む膜に炎症(髄膜炎)を起こすことがあります(日本感染症学会)(MSDマニュアル家庭版)。免疫の弱い人で重くなりやすい一方、健康な人に起こることもあります(日本感染症学会)。

主な症状

感染しても症状が出ないことや、軽くはっきりしない症状から始まることがあります(MSDマニュアル家庭版)。症状は感染した場所によって異なります。

  • 肺:せき、息切れ、胸の痛み、発熱(CDC)
  • 脳・髄膜:頭痛、首の痛み、光をまぶしく感じる、混乱、ふだんと違う行動(CDC)。かすみ目や気分の変化がみられることもあります(MSDマニュアル家庭版)。
  • 皮膚:盛り上がった発疹や潰瘍ができることがあります(MSDマニュアル家庭版)。

目の奥に感染が及ぶと、視力を失うおそれもあるとされます(日本感染症学会)。

原因・なりやすい要因

主な原因菌は、クリプトコッカス・ネオフォルマンスとクリプトコッカス・ガッティの2種類です(CDC)(日本感染症学会)。

  • ネオフォルマンス:世界中の環境にいる菌で、ハトやニワトリなどの鳥のふんがたまった場所で増えやすいとされます。日本の患者の多くはこの菌によるものと考えられてきました(日本感染症学会)。
  • ガッティ:熱帯・亜熱帯などに多く、ユーカリなど特定の樹木にすむとされます。健康な人にも病気を起こしやすいとされています(日本感染症学会)(MSDマニュアル家庭版)。

空気中に舞った菌を吸い込むことで感染しますが、菌にふれた人の多くは発病しません(CDC)。感染源がはっきりしないことも多いとされます(日本感染症学会)。

なりやすいのは、進行したHIV感染症、臓器移植後、ステロイドや免疫抑制薬の長期使用、一部のがん(リンパ腫など)、肝硬変などで免疫が弱まっている人です(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。

検査と診断

診断

たん、血液、髄液、尿などを顕微鏡で調べたり培養したりして菌を探します。血液や髄液で、菌が出す成分(抗原)を調べる検査も使われます。髄膜炎が疑われるときは、腰に針を刺して髄液を採ります。(MSDマニュアル家庭版)(CDC)

治療

治療

抗真菌薬で治療します(CDC)。免疫が正常で、肺に小さな病変があるだけで症状がない場合は、治療をしないこともあります。髄膜炎では、まず点滴のアムホテリシンBなどを使い、その後に飲み薬のフルコナゾールへ切り替えるといったように、感染の場所や重さに応じて薬が使い分けられます(MSDマニュアル家庭版)。健康な人でも治療は長期間になるとされ(日本感染症学会)、少なくとも6か月、多くはそれ以上続けます(CDC)。ガッティによる感染では、通常の治療が効きにくい場合があるとされます(日本感染症学会)。

経過と生活

予防

HIVとともに生きる人では、抗HIV療法を始める前に血液検査でこの感染症がないかを調べ、症状が出る前に見つける取り組みが行われています(CDC)。日本では、全身に広がったクリプトコッカス症(播種性クリプトコックス症)は、医師が保健所に届け出る感染症に指定されています(厚生労働省)。

経過

髄膜炎は命に関わることがあり、免疫の弱い人では特に重くなりやすいとされます(MSDマニュアル家庭版)(日本感染症学会)。早く見つけて治療を続けることが大切です。

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出典

CDC「About Cryptococcosis」 / 日本感染症学会「播種性クリプトコックス症について」(厚生労働省 審議会参考資料) / 厚生労働省「播種性クリプトコックス症」(感染症法に基づく届出基準) / MSDマニュアル家庭版「クリプトコッカス症」
内容の確認日:2026-10-18(次回確認予定 2027-04-18)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。