病気の解説
肺吸虫症
受診の目安
肺吸虫症では、感染者の大半は無症状ですが、感染の過程で下痢や腹痛、発熱、咳嗽、蕁麻疹、肝脾腫、肺の異常、好酸球増多がみられることがあります。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、感染症内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
肺吸虫症は、甲殻類を生のまま、または加熱が不十分な状態で摂取することで感染します。体内で幼虫が成虫となり、肺を中心に遍在することがあります。成虫は長期間生存することがあり、虫卵は喀痰や便として体外へ出ることがあります。肺以外の臓器へ進展することもありますが、生活環は肺で完結しない場合があります。
主な症状
感染者の大半は無症状ですが、感染の過程で下痢や腹痛、発熱、咳嗽、蕁麻疹、肝脾腫、肺の異常、好酸球増多がみられることがあります。慢性期には肺の障害が主に現れ、咳嗽や胸痛、喀血、呼吸困難などが起こることがあります。脳に進展すると痙攣や失語、半身麻痺、視覚障害が出ることがあります。皮膚に現れる移行性のアレルギー様病変が他の種でもみられることがあります。
検査と診断
診断
診断は、喀痰や便から特徴的な大型の有蓋卵を同定することや、血清学的検査による抗体の検出で行われます。胸水や腹水に虫卵が見つかることもあります。卵は間欠的に少量ずつ出るため見つけにくい場合があります。集卵法は感度を高めます。X線やCTは補助的で、診断そのものには用いません。肺にはびまん性浸潤影、結節、輪状影、空洞、線状陰影、肺膿瘍、胸水、気胸などの所見が現れることがあります。
治療
治療
第一選択薬はプラジカンテルで、25 mg/kgを1日3回、2日間投与します。入手可能な地域ではトリクラベンダゾールも使用可能で、10 mg/kgを食後に単回投与、または重症例では12時間おきに2回投与します。プラジカンテルは肺外感染症にも用いられますが、複数コースになることがあります。脳感染症には、吸虫の炎症を抑えるためにコルチコステロイドを短期間併用することがあります。皮膚病変や脳内シストの切除が必要となることもあります。予防として、流行地域で捕れたカニやザリガニを生のまま、または十分に加熱していない状態で摂取するのを避けることが推奨されます。
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出典
参考: MSDマニュアルプロフェッショナル版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。