病気の解説
尿道下裂
受診の目安
- 生まれたときの診察や健診で、おしっこの出口の位置や陰茎の形について指摘を受けたとき
- おしっこが前にまっすぐ飛ばない、立って排尿しにくい様子があるとき
- 陰茎が下向きに曲がっているように見えるとき
- 手術のあとに、おしっこが別の場所から漏れる、出にくくなるなどの変化があるとき
相談先は泌尿器科、とくに子どもの泌尿器を専門に診る医療機関です。見た目だけでは程度や合併する病気の有無はわからないため、診察で確かめてもらう必要があります(日本小児泌尿器科学会)(CDC)。
基本
尿道下裂とは
尿道下裂は、生まれつき尿道が陰茎の先まで届いておらず、おしっこの出口が先端ではなく陰茎の裏側(下側)のどこかに開いている状態です(日本小児泌尿器科学会)。お母さんのおなかの中で尿道がつくられる時期に、その発達がうまく進まないことで起こるとされます(CDC)。米国の推計では、生まれる男の子のおよそ150人に1人にみられるとされています(CDC)。
主な特徴と症状
出口の位置は、先端に近い軽いものから、陰茎の付け根や陰のうとの境目に近いものまでさまざまです(CDC)。
- 本人がおしっこのときに痛みなどを感じることはふつうありません(日本小児泌尿器科学会)。
- おしっこの飛ぶ方向がずれ、立って排尿しにくいことがあります(日本小児泌尿器科学会)(CDC)。
- 陰茎が下向きに曲がっていることがあり、曲がりが強いと、大人になってから性交に差し支えることがあります(日本小児泌尿器科学会)(CDC)。
- 精巣が陰のうに降りていない「停留精巣」を伴うことがあります(CDC)。
原因・なりやすい要因
多くの場合、はっきりした原因はわかっていません(日本小児泌尿器科学会)(CDC)。低出生体重で生まれた赤ちゃんに比較的多いとされ、性の分化に関わる病気の一部として現れることもあります(日本小児泌尿器科学会)。米国の研究では、母親が30歳以上であること、母親の肥満、生殖補助医療による妊娠、妊娠直前や妊娠中の黄体ホルモン(プロゲスチン)の使用などが、なりやすさと関係すると報告されています(CDC)。
検査と診断
診断
多くは生まれた後の診察で見つかります(CDC)。医師は出口の位置と陰茎の曲がり具合を確かめ、停留精巣など他の異常がないかも調べます。必要に応じて画像検査や内視鏡検査が行われます(日本小児泌尿器科学会)。
治療
治療
飲み薬で治すことはできず、治療は手術です(日本小児泌尿器科学会)。
- 手術では、新しく尿道をつくって出口を先端に近づけたり、陰茎の曲がりをまっすぐにしたり、周りの皮膚を整えたりします(日本小児泌尿器科学会)(CDC)。
- 全身麻酔で行われます(日本小児泌尿器科学会)。
- 米国では、多くが生後3〜18か月ごろに行われ、何回かに分けて手術することもあるとされます(CDC)。
- 手術で包皮を材料に使うことがあるため、尿道下裂のある子どもは割礼(包皮を切る処置)を避けるべきとされています(CDC)。
経過と生活
手術後の経過
手術でつくった尿道は、体の成長に合わせて陰茎とともに育つとされます(日本小児泌尿器科学会)。一方で、つくった尿道の途中に穴があいておしっこが漏れる(尿道皮膚ろう)、尿道が狭くなって出にくくなる(尿道狭窄)といった合併症が起こることがあり、手術の後もしばらく排尿の様子を見ていくのが一般的です(日本小児泌尿器科学会)。精巣の働きに問題がなく、性交に支障がなければ、将来子どもをもつことは可能とされています(日本小児泌尿器科学会)。
泌尿器科で扱うほかの病気
出典
日本小児泌尿器科学会「尿道下裂・陰茎湾曲」 / CDC「About Hypospadias」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。