病気の解説

旋毛虫症

別名:トリヒナ症、旋毛虫病

まず相談する診療科感染症内科
この解説の項目5項目

受診の目安

旋毛虫症では、吐き気・下痢・腹痛・微熱などがみられることがあります。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、感染症内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。

基本

概要

旋毛虫症は、寄生虫の一種による感染症です。症状はさまざまで、多くの場合は何の症状も出ません。症状が出る場合は、汚染された肉を食べてから1週間前後に現れることがあります。吐き気・下痢・腹痛・微熱などがみられることがあります。幼虫が筋肉に入ると、筋肉痛や圧痛、筋力低下、頭痛、眼の周りの腫れなどが出ることがあります。筋肉の痛みは咳をしたり話したり噛んだり飲み込んだりする筋肉に強く現れます。白目が赤くなる、目が痛い、光に敏感になるといった症状が出ることもあります。これらの症状は感染からおよそ1~2週間で現れることがあります。幼虫の数が多いと心臓・脳・肺にも炎症を起こすことがあり、心不全やけいれん、重い呼吸障害などにつながることがあります。まれに死亡することもあります。治療を行わなくても、感染から約3カ月で大半の症状は治まることが多いですが、筋肉が痛む、疲れやすいといった症状が長く続くこともあります。

検査と診断

診断

診断には血液検査が用いられ、旋毛虫に対する抗体を調べます。抗体は症状が出てから3~5週間を経過するまで検出されにくいことが多く、数週間ごとに検査を繰り返して診断します。抗体が陰性の場合でも、初期の診断結果と血液中の好酸球の状態をもとに判断します。筋肉組織の生検を行うこともありますが、通常は必要ありません。

治療

治療

治療には駆虫薬が使われます。エルベンダゾールやメベンダゾールが腸内の成虫を駆除するために用いられます。これらの薬は口から服用しますが、筋肉にある嚢胞には効果がありません。筋肉の痛みを和らげるためには痛み止めとしてNSAIDsが使われることがあります。症状がひどい場合や心臓や脳に炎症がある場合には炎症を抑えるコルチコステロイド薬が処方されることがあります。多くの場合、回復します。

経過と生活

予防

予防には、肉、特に豚肉や野生動物の肉を十分に加熱して全体が茶色になるまで加熱することが推奨されます。74℃以上の温度で調理することが望ましいとされています。豚肉で肉厚が薄い場合は、20日間-5℃で冷凍すると幼虫を死滅させられることがあります。ただし、野生動物の肉には低温では死滅しない幼虫が含まれている可能性があるため冷凍は推奨されません。燻製・塩漬け・レンジ調理では幼虫を確実に死滅させられないことがあります。生肉を扱う調理器具はよく洗浄し、石けんと水で手をよく洗うことも重要です。生肉を家畜の豚に与えるべきではありません。

感染症内科で扱うほかの病気

出典

参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。