病気の解説
精巣上体炎
別名:精管炎、精索炎
緊急性の高い症状
次のようなときは、様子を見ずにすぐに泌尿器科のある医療機関(夜間・休日は救急外来)を受診してください。迷うときは119番に相談してください。
- 陰のう(睾丸のある袋)が突然激しく痛み出した、急に腫れてきた
- 強い陰のうの痛みに、吐き気や嘔吐を伴う
突然の強い痛みは、精巣上体炎ではなく、精巣の血流が止まる「精巣捻転」の可能性があります。精巣捻転は数時間のうちに血流を戻さないと精巣が働かなくなったり壊死したりするため、緊急手術が必要になることがあります(獨協医科大学)(CDC)。思春期に多いものの、ほかの年代にも起こります(獨協医科大学)。痛みがいったん治まっても再発することが多いため、受診が必要です(獨協医科大学)。
出典:獨協医科大学 小児泌尿器科「精巣捻転(急性陰のう症)」、CDC「Epididymitis(STI Treatment Guidelines)」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 片側の陰のうの痛み・腫れ・押したときの痛みがある(CDC)
- 陰のうの痛みに発熱を伴う(獨協医科大学)
- 排尿時の痛みや尿道からの分泌物など、尿道炎・膀胱炎・前立腺炎のような症状が先にあった(獨協医科大学)
- 治療を始めて3日ほどたっても良くならない、治療後も腫れやしこりが残る(CDC)
相談先は泌尿器科です。陰のうが痛む病気には、精巣捻転、精巣や精巣上体の付属物のねじれ、精巣炎、けが、ヘルニアなど複数あり、症状だけで区別することはできません(獨協医科大学)。自己判断で様子を見ず、診察を受けてください。
基本
精巣上体炎とは
精巣上体は、精巣(睾丸)に寄りそうようについている細長い器官で、精子を運び育てる通り道です。精巣上体炎は、ここに主に細菌が入り込んで炎症が起こる病気です(獨協医科大学)(CDC)。多くは片側に起こり、陰のうの痛みと腫れが主な症状です(CDC)。
主な症状
- 片側の陰のうの痛み・腫れ、触ると痛む(CDC)
- 炎症は精巣上体の下の端から始まり、精巣上体全体、ときに精巣まで一塊になって腫れることがあります(獨協医科大学)(CDC)。
- 高い熱が出ることがあります(獨協医科大学)。
- 陰のうに水がたまることがあります(CDC)。
一般に、精巣上体炎は数時間〜数日かけて症状が強まることが多く、突然激しく痛む場合は精巣捻転を疑う必要があるとされます(CDC)。
原因・なりやすい要因
- 尿路の感染から:大腸菌などの細菌が多く、尿路感染症に続いて起こることが多いとされます(獨協医科大学)。高齢の人では、前立腺肥大などで尿の出口が狭くなっていることや、前立腺の検査・尿道の処置・手術のあとに起こることがあります(CDC)。
- 性感染症から:性的に活発な年代では、クラミジアや淋菌などの性感染症に続いて起こることが多いとされます。尿道炎は症状がはっきりしないこともあります(獨協医科大学)(CDC)。
検査と診断
診断
診察に加えて、尿検査で炎症の有無を調べ、尿の細菌培養や、クラミジア・淋菌の検査を行います(CDC)。超音波検査は主に精巣捻転でないことを確かめるために使われます(CDC)。区別が難しい場合には、手術で陰のうを開いて確かめることもあります(獨協医科大学)。
治療
治療
- 抗菌薬:通常、手術は必要なく、抗菌薬で治療します(獨協医科大学)。原因として考えられる菌(性感染症か、腸内の細菌か)に合わせて薬が選ばれ、検査結果を待たずに治療を始めることが多いとされます(CDC)。
- 症状をやわらげる:熱や炎症が治まるまで安静にし、陰のうを持ち上げて支え、痛み止めを使うことが勧められています(CDC)。抗菌薬を飲み終えたあとも、しばらく違和感が残ることがあります(CDC)。
- 痛みや発熱が強い場合などには、入院での治療が検討されます(CDC)。
日常生活の注意
治療は医療機関の指示どおりに続けてください。性感染症が原因の場合は、パートナーも検査と治療を受けること、本人とパートナーの治療が終わり症状が治まるまで性交渉を控えることが勧められています(CDC)。
泌尿器科で扱うほかの病気
出典
CDC「Epididymitis(STI Treatment Guidelines)」 / 獨協医科大学 小児泌尿器科「精巣捻転(急性陰のう症)」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。