病気の解説
糖尿病ケトアシドーシス
別名:糖尿病性ケトアシドーシス
緊急性の高い症状
糖尿病ケトアシドーシスは、疑った時点ですぐに治療が必要な緊急の状態です(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。糖尿病のある人や、その家族は次のような場合、様子を見ずに119番で救急車を呼ぶか、ただちに救急外来を受診してください。
- 吐き気・嘔吐があり、食べ物や水分をとれない(CDC)
- 呼吸が深く速い、息が苦しい(CDC)(MSDマニュアル家庭版)
- 吐く息が甘酸っぱい果物のようなにおいがする(CDC)(MSDマニュアル家庭版)
- 強い腹痛、ひどいだるさ、意識がもうろうとする(CDC)
- 血糖値が高いまま下がらない、または尿や血液のケトン体が高いと出た(CDC)
出典:CDC「Diabetic Ketoacidosis」、MSDマニュアル家庭版「糖尿病性ケトアシドーシス」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- のどがひどく渇き、尿の回数や量が増えたとき。ケトアシドーシスの初期の症状のことがあります(CDC)(MSDマニュアル家庭版)
- 糖尿病の治療中に、かぜ・胃腸炎などで食事がとれない、発熱・下痢・嘔吐がある(シックデイ)とき(CDC)
- インスリンを打ち忘れた、インスリンポンプが詰まった・うまく動かないとき(CDC)
このような場合は、その日のうちに主治医(糖尿病の担当医)に連絡し、指示を受けてください。症状が強いとき、上の「緊急性の高い症状」があるときは救急受診が必要です。ケトアシドーシスかどうかは、血液や尿の検査をしないと判断できません(MSDマニュアル家庭版)。糖尿病と診断されていない人でも、ケトアシドーシスが糖尿病の最初のサインとして現れることがあります(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。
基本
糖尿病ケトアシドーシスとは
血糖を細胞に取り込むためのインスリンが極端に足りなくなり、体がかわりに脂肪を分解してエネルギーにしようとした結果、「ケトン体」という酸性の物質がたまって血液が酸性に傾く状態です(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。糖尿病の急性の合併症で、命に関わることがあります(CDC)。主に1型糖尿病の人に起こりますが、2型糖尿病の人に起こることもあります(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。
主な症状
- はじめのうち:強いのどの渇き、尿が多い(CDC)。体重が減る、吐き気、だるさが出ることもあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 進むと:深く速い呼吸、口や皮膚の乾き、顔のほてり、果物のような息のにおい、頭痛、筋肉のこわばりや痛み、ひどいだるさ、吐き気・嘔吐、腹痛(CDC)。子どもでは腹痛が目立つことがあります(MSDマニュアル家庭版)。
治療しないと症状は急に進み、意識がなくなり(昏睡)、命を落とすこともあります(MSDマニュアル家庭版)(CDC)。
原因・なりやすい要因
- インスリンが足りない:インスリンを自己判断でやめた・打ち忘れた、量が合っていない、インスリンポンプの詰まりなど(CDC)(MSDマニュアル家庭版)
- 体への強いストレス:肺炎や尿路感染症などの感染症、心筋梗塞、脳卒中、膵炎、けが(CDC)(MSDマニュアル家庭版)
- 体調不良で食べられないとき:病気で十分に飲食できないと、血糖の管理が難しくなります(CDC)。
- 薬:一部の利尿薬やステロイド(CDC)、まれにSGLT2阻害薬(MSDマニュアル家庭版)。
- 飲酒・薬物(CDC)
検査と診断
診断
血液と尿で、血糖値・ケトン体・血液の酸性度などを調べます(MSDマニュアル家庭版)。きっかけとなった感染症や心筋梗塞がないかを調べるため、胸のエックス線検査、尿検査、心電図なども行われます(MSDマニュアル家庭版)。
治療
治療
救急外来や病院で治療します。集中治療室での管理が必要になることもあります(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。
- 点滴による水分の補給:尿で失われた水分を補い、高い血糖を薄めます(CDC)。
- 電解質の補給:カリウムなど、不足した体の塩分(電解質)を補います(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。
- インスリン:点滴でインスリンを入れ、ケトン体がつくられる状態を止めます(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。
- きっかけとなった病気の治療:感染症があれば抗菌薬などで治療します(CDC)。
治療を受ければ、血液の酸性の状態はふつう元に戻ります(MSDマニュアル家庭版)。
経過と生活
予防
糖尿病の治療は、主治医の指示を最優先にしてください。
- 体調が悪い日こそ、血糖値をこまめに測ります(CDC)。
- 調子がよくても、薬やインスリンを処方どおり続けます。インスリンを自己判断でやめないことが大切です(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。
- かぜなどで食べられないとき(シックデイ)のインスリンや飲み薬の調整方法を、あらかじめ主治医と相談しておきます(CDC)。
- ケトン体を調べる検査(尿・血液)について、使い方や測るタイミングを医療機関で確認しておくと役立ちます(CDC)。
糖尿病ケトアシドーシスと関係する症状
症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。
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出典
CDC「Diabetic Ketoacidosis」 / MSDマニュアル家庭版「糖尿病性ケトアシドーシス」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。