病気の解説

膜性腎症

別名:MGN

まず相談する診療科腎臓内科
この解説の項目8項目

受診の目安

  • まぶたや足、すねなどのむくみが続く、短い期間で体重が増えたとき(NIDDK)(難病情報センター)
  • 尿の泡立ちが目立ち、なかなか消えないとき(NIDDK)
  • だるさや食欲の低下が続くとき(NIDDK)
  • 健康診断などで尿たんぱくを指摘されたとき

相談先は内科、とくに腎臓内科です。むくみは心臓や肝臓など、ほかの病気でも起こるため、症状だけで病名を判断することはできません。尿や血液の検査、必要に応じて腎臓の組織を調べる検査で原因を確かめます(NIDDK)。

基本

膜性腎症とは

腎臓には、血液をろ過して尿を作る「糸球体」という小さなフィルターがたくさんあります。膜性腎症は、このフィルターの膜(糸球体基底膜)にたんぱく質の沈着が起こり、たんぱく質が尿に大量に漏れ出てしまう病気です(NIDDK)。

尿に大量のたんぱくが出て、血液中のたんぱく(アルブミン)が減り、むくみなどが起こる状態を「ネフローゼ症候群」といい、膜性腎症はその主な原因のひとつです(難病情報センター)(NIDDK)。はっきりした原因の病気がないものは、国の指定難病「一次性ネフローゼ症候群」の対象になります(難病情報センター)。

主な症状

  • まぶた、足、おなかなどのむくみ(NIDDK)(難病情報センター)
  • 体に水分がたまることによる体重の増加(NIDDK)(難病情報センター)
  • 尿の泡立ち(NIDDK)
  • 疲れやすさ、食欲の低下(NIDDK)
  • むくみが強い場合には、胸やおなかに水がたまることがあります(難病情報センター)。

このほか、血液中のコレステロールが高くなる、血のかたまり(血栓)ができやすくなる、感染症にかかりやすくなる、腎臓の働きが落ちる、といった変化が起こることがあります(難病情報センター)(NIDDK)。

原因・なりやすい要因

はっきりとした原因はまだ明らかではありません(難病情報センター)。腎臓のフィルターの細胞にある「PLA2R」というたんぱく質が、免疫の攻撃の標的になっていると考えられていますが、日本人でこの抗体が見つかる割合は約50%と、それほど高くないとされます(難病情報センター)。

また、ほかの病気や薬がもとになってネフローゼ症候群が起こることもあり、「二次性」と呼ばれます。原因として、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫の病気、B型・C型肝炎などの感染症、がん、一部の薬(非ステロイド性消炎鎮痛薬など)が挙げられています(難病情報センター)(NIDDK)。

検査と診断

診断

  • 尿検査:尿にたんぱくがどのくらい出ているかを調べます(NIDDK)。
  • 血液検査:血液中のたんぱく(アルブミン)やコレステロール、腎臓の働きなどを調べます(NIDDK)(難病情報センター)。
  • 腎生検:腎臓の組織をごく少し取り、顕微鏡で調べることで、膜性腎症かどうかを確かめます(NIDDK)。
  • 原因の病気を探す検査:二次性かどうかを調べるため、ほかの病気の有無を確かめる検査が行われます(NIDDK)(難病情報センター)。

治療

治療

  • むくみへの対応:塩分を控え、尿を増やす薬(利尿薬)を使います(難病情報センター)(NIDDK)。
  • 腎臓を守る治療:尿たんぱくを減らし血圧を下げる薬(ACE阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬)が使われます(難病情報センター)(NIDDK)。
  • コレステロールへの対応:スタチンという薬が使われることがあります(難病情報センター)(NIDDK)。
  • 免疫を抑える治療:病気の勢いを抑えるために、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬が使われることがあります(難病情報センター)。
  • 二次性の場合:もとになっている病気の治療や、原因となる薬の見直しが行われます(NIDDK)。

ステロイドや免疫抑制薬は、骨粗しょう症や胃潰瘍、感染症などの副作用に注意が必要で、とくに高齢の人では感染症に注意が必要とされています(難病情報センター)。

日常生活の注意・セルフケア

食事や生活の注意は、医療機関の指示を最優先にしてください。

  • むくみを抑えるため、塩分や水分の制限を指示されることがあります(NIDDK)(難病情報センター)。
  • 脂肪やコレステロールを控えるよう勧められることがあります(NIDDK)。
  • 感染症を防ぐため、肺炎球菌ワクチンや毎年のインフルエンザワクチンが勧められることがあります(NIDDK)。

経過と生活

経過

治療で尿たんぱくが減る(寛解する)こともありますが、再び悪くなることもあります(NIDDK)。長い期間の治療が必要になる人も多く、長い年月のうちに腎臓の働きが落ちて透析が必要になる人もいるため、定期的な通院と検査が大切です(難病情報センター)(NIDDK)。

腎臓内科で扱うほかの病気

出典

難病情報センター「一次性ネフローゼ症候群(指定難病222)概要・診断基準」 / NIDDK「Nephrotic Syndrome in Adults」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。