病気の解説
臍ヘルニア
別名:デベソ、出べそ、出臍
緊急性の高い症状
おへそのふくらみに次のような変化があれば、腸などが穴にはまり込んで戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」や、血の流れが止まる「絞扼(こうやく)」の可能性があります。すぐに医療機関(夜間・休日は救急外来)を受診してください(MSDマニュアル家庭版)。
- ふくらみが硬くなり、押しても戻らない
- 痛みが続き、だんだん強くなる(赤ちゃんでは激しく泣き続ける)
- 吐き気や嘔吐がある
- ふくらみに触ると痛がる、皮膚が赤くなる
絞扼では腸が短い時間で傷んでしまうことがあり、すぐに手術が必要になります。乳児の臍ヘルニアで絞扼が起こることはまれとされていますが、起これば危険な状態です(MSDマニュアル家庭版)。
出典:MSDマニュアル家庭版「小児の臍ヘルニア」「腹壁ヘルニア」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 赤ちゃん・子ども:おへそがふくらんでいることに気づいたら、乳児健診やかかりつけの小児科で相談し、必要に応じて小児外科を紹介してもらいます。圧迫療法を希望する場合や、大きいヘルニアが2歳ごろになっても閉じない場合も、小児外科で相談します(天使病院 小児外科)(MSDマニュアル家庭版)。
- 大人:おへその周りのふくらみに気づいたら、外科(消化器外科)で相談します(MSDマニュアル家庭版)。
おへその周りのふくらみには、ほかの原因もあり、見た目だけで病名を決めることはできません。
基本
臍ヘルニアとは
臍ヘルニアは、おへその下の腹壁にある小さなすき間から、腸などおなかの中のものが皮膚の下に押し出されてふくらむ状態で、いわゆる「でべそ」です(MSDマニュアル家庭版)(天使病院 小児外科)。赤ちゃんに多くみられ、多くは成長とともに自然に閉じます(MSDマニュアル家庭版)。大人では、肥満や妊娠、腹水(おなかに水がたまること)などが原因で起こることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
主な症状
おへそがふくらむのが主な症状で、多くは痛みなどの症状はありません(MSDマニュアル家庭版)。赤ちゃんでは、泣いたりいきんだりしておなかに力が入るとふくらみが大きくなり、眠って落ち着いているときは小さくなります。このように大きくなったり小さくなったりすること自体は、ほとんど心配いらないとされています(天使病院 小児外科)。
原因・なりやすい要因
おなかの中にいる赤ちゃんは、へその緒の血管がおへその下の筋肉のすき間を通っています。生まれたあと、このすき間はふつう自然に閉じますが、閉じきる前におなかの圧がかかると、おへそがふくらみます(天使病院 小児外科)(MSDマニュアル家庭版)。大人では、肥満、妊娠、腹水、腹部の手術のあとなどで起こることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
検査と診断
診断
多くは、経過の聞き取りと診察で診断されます(MSDマニュアル家庭版)。
治療
治療
- 経過観察:子どもの臍ヘルニアは自然に閉じることが多いため、多くはそのまま様子をみます(MSDマニュアル家庭版)。すき間の直径が3cm以下なら、2歳までに約90%が治るとする医療機関もあります(天使病院 小児外科)。
- 圧迫療法:日本では、乳児期に、綿球などをおへそに当てて医療用テープで押さえる圧迫療法を行っている医療機関があります。きれいに治りやすいとされる一方、テープのかぶれや貼り替えの手間もあり、医療機関によって考え方が分かれています(天使病院 小児外科)(京都市立病院)。行う場合は、乳児期の早い時期から始め、1歳を過ぎるとあまり効果は見込めないとする医療機関もあります(京都市立病院)。硬貨を当てるような民間療法は効果がなく、皮膚の炎症を起こすことがあるとされるため(MSDマニュアル家庭版)、自己流で行わず、小児科・小児外科で相談してください。
- 手術:子どもで非常に大きいヘルニアが2歳ごろまでに閉じない場合などに、すき間を閉じておへその形を整える手術が検討されます(MSDマニュアル家庭版)(天使病院 小児外科)。嵌頓や絞扼が起きた場合は、すぐに手術が行われます(MSDマニュアル家庭版)。大人では、状態に応じて予定を立てて修復手術が行われます(MSDマニュアル家庭版)。
経過と生活
経過
赤ちゃんの臍ヘルニアは、多くが成長とともに自然に閉じます(MSDマニュアル家庭版)(天使病院 小児外科)。嵌頓や絞扼はまれですが、起これば緊急の対応が必要です(MSDマニュアル家庭版)。
消化器内科で扱うほかの病気
出典
MSDマニュアル家庭版「小児の臍ヘルニア」 / MSDマニュアル家庭版「腹壁ヘルニア」 / 天使病院 小児外科「臍ヘルニア(でべそ)」 / 京都市立病院「臍ヘルニアの圧迫療法 やり方」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。