病気の解説

蜂巣炎

まず相談する診療科感染症内科
この解説の項目10項目

緊急性の高い症状

赤みが急速に広がる場合や、熱・寒気が出た場合は、すぐに医療機関を受診することが勧められています(CDC)。また、まれに皮膚の下の組織が急速に壊れていく重い感染(壊死性筋膜炎など)が起こることがあり、短い時間で命に関わることがあります(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。次のようなときは、ためらわずに119番通報するか、すぐに救急外来を受診してください。

  • 赤く熱をもった腫れが、みるみる広がっていく
  • 見た目の赤みや腫れの範囲を超えて、ひどく痛む
  • 高い熱、寒気、脈が速い、ぼんやりする・意識がおかしい
  • 立ちくらみがするなど、血圧が下がっている様子がある

こうした症状は、けがや手術の後にとくに注意が必要とされます(CDC)。

出典:CDC「About Cellulitis」「About Necrotizing Fasciitis」、MSDマニュアル家庭版「蜂窩織炎」

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • 皮膚の一部が赤く腫れて、熱をもち、押すと痛む
  • 赤みや腫れが少しずつ広がっている、水ぶくれができてきた
  • 近くのリンパ節(足の付け根やわきの下など)が腫れて痛む
  • 飲み薬を使っても良くならない、うみが出てきた

相談先は主に皮膚科です。重い場合は入院して治療することもあります(札幌市病院局 市立札幌病院)(MSDマニュアル家庭版)。足の静脈に血のかたまりができる病気(深部静脈血栓症)など、似た見た目のほかの病気もあるため、症状だけで病名を判断することはできません(MSDマニュアル家庭版)。

基本

蜂巣炎とは

蜂巣炎(蜂窩織炎)は、皮膚の深い部分から皮膚のすぐ下の組織にかけて細菌が入り込み、炎症が広がる感染症です(MedlinePlus)(MSDマニュアル家庭版)。体の片側、とくに足やすねに起こることが多いとされます(MSDマニュアル家庭版)(CDC)。人から人へうつることは、通常はないとされています(CDC)。

主な症状

  • 皮膚の赤み、腫れ、熱っぽさ、痛み、押したときの痛み(CDC)(MSDマニュアル家庭版)
  • 皮膚がみかんの皮のようにでこぼこして見える、水ぶくれができる(CDC)(MSDマニュアル家庭版)
  • 近くのリンパ節の腫れや痛み(MSDマニュアル家庭版)(MedlinePlus)
  • 発熱や寒気(CDC)(MedlinePlus)

多くは軽く見えますが、熱、寒気、脈が速い、血圧が下がる、頭痛、意識がぼんやりするといった症状は、より重い感染を示すことがあります(MSDマニュアル家庭版)。

原因・なりやすい要因

主な原因は、レンサ球菌(溶連菌)やブドウ球菌といった細菌です(MSDマニュアル家庭版)(CDC)。細菌は、すり傷、切り傷、刺し傷、やけど、虫や動物にかまれた傷、手術の傷などの皮膚の小さな傷から入り込みます。どこから入ったのかわからないことも多いとされます(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。

次のような人は、なりやすい・くり返しやすいとされています(MSDマニュアル家庭版)(CDC)。

  • 水虫(足白癬)や湿疹など、皮膚に傷ができやすい病気がある
  • 足のむくみが続いている(リンパ浮腫、足の静脈の病気など)
  • 太っている
  • 以前に蜂巣炎になったことがある
  • 病気や薬によって免疫の働きが弱っている

検査と診断

診断

多くは、医師が皮膚の様子と症状を診て判断し、血液検査などは通常必要ないとされます(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。重い場合、免疫が弱っている場合、薬が効かない場合などには、原因の細菌を調べる検査が行われることがあります(MSDマニュアル家庭版)。

治療

治療

  • 抗菌薬:細菌に効く薬で治療します。多くは飲み薬で、重い場合や急速に広がる場合、飲み薬で良くならない場合は、入院して点滴で治療します(CDC)(MSDマニュアル家庭版)(MedlinePlus)。
  • 安静と挙上:腫れた手足を高くして休むと、腫れが引きやすく回復が早まるとされます(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。
  • うみのたまり:うみがたまっている場合は、切開して出すことがあります(MSDマニュアル家庭版)。
  • きっかけの病気の治療:水虫など、細菌の入り口になった皮膚の病気も治療します(MSDマニュアル家庭版)。

日常生活の注意・セルフケア

治療中は、医療機関の指示を最優先にしてください。

  • 処方された抗菌薬は、指示どおりに使います。
  • 腫れた手足はできるだけ高くして休みます(CDC)。
  • 使っている間に赤みが広がる、熱が出るなど悪化した場合は、すぐに受診してください(CDC)。

経過と生活

予防

水虫やむくみなど、なりやすくする病気をきちんと治療しておくことが予防になるとされます。足のむくみがある人では、弾性ストッキングが再発の予防に役立つことがあります(MSDマニュアル家庭版)。膝から下にくり返す場合は、水虫などのカビの感染がないか調べることが勧められています(CDC)。

経過

多くは抗菌薬の治療で早く良くなり、症状は数日で軽くなることが多いとされます(MSDマニュアル家庭版)。まれに、うみのたまり、血液への細菌の広がり、骨や関節の感染などの合併症が起こることがあります(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。同じ場所、とくに足でくり返すと、リンパの流れが傷んで、むくみが長く続くようになることがあります(MSDマニュアル家庭版)。

感染症内科で扱うほかの病気

出典

CDC「About Cellulitis」 / CDC「About Necrotizing Fasciitis」 / MedlinePlus「Cellulitis」 / MSDマニュアル家庭版「蜂窩織炎」 / 市立札幌病院「皮膚科」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。