病気の解説
HIV感染症
受診の目安
HIV感染症では、リンパ節の腫れや口の中の白い斑点、下痢、疲労感、発熱などが見られることがあります。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、感染症内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
HIV感染症は、レトロウイルスの一種であるHIVが体の細胞に侵入し、RNAをDNAに組み込む過程を経て感染が広がる病気です。潜伏した状態と活性化した状態があり、放置すると日和見感染症やがんなどを引き起こすエイズへと進行することがあります。診断は血液や唾液の検査、またはHIV RNAの検査で行われ、治療には抗レトロウイルス薬が使われます。予防には性行為や針の使用に関する適切な対策が重要です。
主な症状
初期には症状が現れないことが多く、軽い風邪のような症状が出る場合もあります。リンパ節の腫れや口の中の白い斑点、下痢、疲労感、発熱などが見られることがあります。これらの状態はHIV感染症自体による場合もあれば、免疫機能の低下による日和見感染症の結果として現れることがあります。
原因
HIVの感染経路として、性行為や注射器の共用などが挙げられます。性行為の種類によってリスクは異なり、適切な予防を行わない場合に感染リスクが高まることがあります。
病態
HIVは感染した細胞のDNAに組み込まれ、細胞分裂のたびにそのDNAが複製されます。潜伏状態と活性状態があり、活性化すると感染性が高まり日和見感染症や障害が進むことがあります。
リスク因子
感染のリスクを高める要因として、リスクの高い性行為や注射薬の使用などが挙げられます。適切な予防対策が取られていない場合に感染する可能性が高くなります。
検査と診断
検査
HIV感染の診断には、血液や唾液中の抗体や、血液中のHIV RNAを調べる検査が用いられます。第4世代の検査では抗体とp24抗原の有無を同時に調べ、結果は速やかに分かります。
診断
HIV感染が疑われる場合にはスクリーニング検査を行い、成人全体や妊婦にはリスクに関わらず検査が勧められます。陽性が確認された場合には、病状の評価として日和見感染症の徴候や合併症の有無が調べられます。
鑑別
感染の疑いがある場合には別の感染症や日和見感染症の可能性を考慮して評価されることがあります。
治療
治療
抗レトロウイルス薬を中心とした治療が行われます。日和見感染症の予防薬や症状を和らげる薬が使われる場合があります。治療は生涯にわたり継続することが多く、HIV量を下げてCD4細胞を回復させることを目標とします。
使われる薬
抗レトロウイルス薬が治療の中心です。必要に応じて日和見感染症を予防する薬が用いられることがあります。
手術・処置
HIV関連疾患の診断のために骨髄穿刺や造影CT・MRI検査が行われることがあります。
経過と生活
合併症
放置すると、日和見感染症やがん、認知機能の障害などが生じ、エイズの診断につながることがあります。腎機能や心機能など臓器にも影響が及ぶことがあります。
生活上の注意
予防には適切な性行為、手指衛生、注射器の共有を避ける等の対策が挙げられます。ラテックス製コンドームの使用が推奨され、油性潤滑剤の使用は避けるとされています。
予防
現時点でHIVワクチンはありませんが、感染者の治療により他者への感染リスクを低減させることができます。予防対策としてコンドームの使用や安全な注射の徹底が重要です。
経過・予後
病気の経過は個人差が大きく、治療の有無や薬剤の耐性、服薬継続性により変わります。治療を受けると症状の進行を抑え、生活の質を保つことが多いとされます。
経過・予後
適切な治療により、感染者はより健康に生活できることが多いですが、完全に治癒するわけではなく、生涯の管理が必要です。
その他
初期症状
治療を受けなくても、長い期間にわたり症状がほとんど見られないことがあり、2〜15年程度続くことがあります。症状としては、首やわきの下、鼠径部のリンパ節の腫れ、口腔内の白斑、疲労、発熱、体重減少などが挙げられます。これらは日和見感染症の兆候として現れる場合もあります。
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出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。