病気の解説
MRSA感染症
受診の目安
MRSA感染症では、黄色ブドウ球菌は普段は皮膚や鼻の穴などにいますが、傷があると感染し、腫れや痛み、膿などを引き起こすことがあります。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、感染症内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
MRSA感染症は、メチシリンという抗菌薬が効かない黄色ブドウ球菌に感染する病気です。黄色ブドウ球菌は普段は皮膚や鼻の穴などにいますが、傷があると感染し、腫れや痛み、膿などを引き起こすことがあります。重症化すると発熱などの全身症状を伴うことがあり、肺炎や敗血症につながることもあります。院内で起こる MRSA感染症(院内感染型)だけでなく、市中で広がる MRSA感染症(市中感染型)や家畜由来の MRSAも報告されています。近年は医療機関内での発生が適切な対策により減少傾向とされます。MRSAは耐性菌の一つです。
原因
MRSA感染症は MRSA への感染を原因として発 symptomします。一般的には接触感染や飛沫感染によって広がります。病気や手術後などで抵抗力が低下している入院患者や、市中で若年層などにも感染がみられることがあります。抵抗力が低下している入院患者などに感染すると重症になることがあります。家畜関連型MRSAは動物と人との接触で広がることが多く、人から人へ広がることはまれと考えられています。
検査と診断
診断
MRSA感染が疑われる場合は、感染が起きている部位の体液を採取して検査します。MRSAが検出され、MIC値が特定の基準を超える場合などにMRSAと判定されます。MRSAに特異的な遺伝子を検出する検査も行われることがあります。MRSA感染症は日本の法制度では5類感染症に指定され、基幹定点医療機関が月単位で報告します。
治療
治療
治療として抗MRSA薬による薬物療法が検討されます。日本で使用可能な抗MRSA薬にはいくつかの薬があり、病態により使える薬が決まっており、薬ごとに副作用などが異なるため、患者さんの状態に応じて薬を選びます。既に耐性を持つ MRSA もあるため、原因となる MRSA の性質に合わせて治療薬を決めます。
使われる薬
使用可能な抗MRSA薬には、グリコペプチド系(バンコマイシン、テイコプラニン)、アミノグリコシド系(アルベカシン)、オキサゾリジノン系(リネゾリド、テジゾリド)、環状リポペプチド系(ダプトマイシン)などがあります。ST合剤やクリンダマイシン、ミノサイクリンなど、他の薬が有効な場合もあり、感受性検査の結果をもとに治療薬を選ぶことになります。
経過と生活
予防
MRSA感染症は特に入院中や手術後、免疫機能が低下している人、長期に抗菌薬を使っている人で注意が必要です。手術前に保菌が分かれば術前の除菌や術後の予防的な薬の投与が行われることがあります。医療機関ではさまざまな予防対策が取られています。一般の方も病院を訪れる際は手指の衛生や手洗いを心がけ、感染を広げないようにしましょう。慢性疾患がある人など免疫機能が低下しやすい人は、適切な治療を受けることで感染を予防できる可能性があります。
感染症内科で扱うほかの病気
出典
参考: Medical Note(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。