病気の解説

ムコール症

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受診の目安

  • 顔の片側の腫れや痛み、鼻づまり、頭痛に加えて、鼻の付け根や口の中(上あご)に黒っぽい部分が現れたとき(WHO)
  • 発熱、せき、胸の痛み、息切れ、血の混じったたんが出るとき(WHO)
  • 傷ややけどの周りが水ぶくれや潰瘍になり、黒く変わってきたとき(WHO)(CDC)

黒い部分が広がる、顔の腫れが急に強まる、意識がぼんやりする、けいれん、手足が動かしにくいときは、すぐに救急外来を受診してください(medimichi の注記)。

特に、糖尿病の血糖管理がうまくいっていない人、臓器や造血幹細胞の移植を受けた人、がんの治療中の人、ステロイドを長く使っている人など免疫が弱まっている人(WHO)(CDC)は、上のような症状があれば当日中に主治医へ連絡してください(medimichi の注記)。早く見つけることが治療の結果を左右するとされます(WHO)。似た症状はほかの病気でも起こるため、症状だけで病名は判断できません。

基本

ムコール症とは

ムコール症は、ムコール目と呼ばれるカビの仲間が体に入り込んで起こる、まれですが重い感染症です(CDC)(WHO)。主に免疫の働きが落ちている人に起こり、鼻の奥や脳、肺、皮膚、消化管などをおかします(CDC)。命に関わることがあるため、早期の治療が重要とされます(WHO)。人から人へはうつりません(CDC)(WHO)。

主な症状

症状は、カビが増えている場所によって異なります。(WHO)(CDC)

  • 鼻・副鼻腔から脳:顔の片側の腫れ、頭痛、鼻づまり、鼻の付け根や上あごの黒い病変、発熱。重くなると、ぼんやりする、けいれん、体の一部が動かしにくいといった症状が出ることがあります。
  • 肺:発熱、せき、胸の痛み、息切れ、血の混じったたん。
  • 皮膚:水ぶくれや潰瘍のような傷ができ、黒くなることがあります。痛み、熱っぽさ、赤みを伴うこともあります。
  • 胃腸:腹痛、吐き気、嘔吐、消化管からの出血。
  • 全身に広がった場合:ほかの病気と見分けにくく、脳に及ぶと意識の変化が起こることがあります。

原因・なりやすい要因

原因となるカビは、土、落ち葉、堆肥、腐った木など、身の回りの環境に広くいます(CDC)(WHO)。多くは空気中の胞子を吸い込むことで感染し、傷ややけどから入ったり、胞子のついた食べ物を口にしたりして感染することもあります(CDC)。

なりやすい要因として、次のものが挙げられています。(WHO)(CDC)

  • 糖尿病(特に血糖が非常に高くなった状態)
  • 臓器移植、造血幹細胞移植
  • がん、白血球(好中球)の減少
  • ステロイドの長期使用など免疫を抑える治療
  • 体内に鉄が過剰にたまった状態
  • けが、やけど

病院の空調や水漏れ、湿ったリネンなどと関連した集団発生も報告されています(CDC)。

検査と診断

診断

疑わしい部位の組織や鼻水、肺の液などを採取し、顕微鏡や培養で調べます(CDC)(WHO)。CTなどの画像検査が診断の助けになります。培養の結果を待たずに治療を始めることが勧められています(WHO)。

治療

治療

抗真菌薬による治療が必要です(CDC)。第一の選択とされるのはアムホテリシンB(リポソーム製剤)の点滴で、早く始めることが重要とされます。ほかの抗真菌薬が使われることもあります(WHO)。感染して傷んだ組織を手術で取り除くことが多く、複数の診療科が協力して治療にあたります(WHO)(CDC)。あわせて、血糖の管理など背景にある病気の治療も行います(WHO)。

経過と生活

予防

背景にある危険を減らすことが予防の中心とされます。(WHO)

  • 糖尿病の人は血糖をよく管理する
  • ステロイドは医師の指示どおり、必要な範囲で使う
  • 不要な抗菌薬・抗真菌薬・免疫に作用する薬を避ける

医療機関では、共用の器具の消毒、換気の維持、傷や包帯の適切な管理が求められています(WHO)。

経過

治療が難しく、命を落とすことも多い感染症です(WHO)(CDC)。早く診断して治療を始めるほど、結果がよくなるとされます(WHO)。

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出典

CDC「About Mucormycosis」 / WHO(インド事務所)「Mucormycosis」
内容の確認日:2026-10-18(次回確認予定 2027-04-18)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。