ジストニア
ジストニアは、筋肉が意図せず持続的あるいは繰り返し収縮してしまい、体の部位がねじれたり異常な姿勢になったりする状態です。遺伝子変異や他の病気、一部の薬剤などが原因で引き起こされ、症状に合わせた薬物療法やボツリヌス毒素注射などで治療が行われます。
とは
ジストニアは、自分の意思とは関係なく筋肉が緊張して収縮し、体がねじれたり不自然な姿勢になったりする病気です。筋肉の緊張は、数分から数時間にわたって続く場合や、収縮と弛緩を繰り返す場合があります。発症する年齢や部位は様々で、体のひとつの部位だけに起こることもあれば、全身に広がることもあり、重度になると日常生活に支障をきたすことがあります。
原因と仕組み
ジストニアは、筋肉の動きを開始したり滑らかにしたりする脳の領域である大脳基底核や視床、小脳などの活動が過剰になることで発生します。大きな要因として、遺伝子変異によって起こる一次性と、他の病気や薬剤によって起こる二次性に分けられます。薬剤が原因となる場合では、吐き気を和らげる制吐薬や精神病の治療に用いられる抗精神病薬などが、まぶたの閉口や首のねじれなどの異常を引き起こすことが知られています。
症状
筋肉が不随意に収縮することで、体の部位がゆがんだり異常な姿勢に固定されたりします。症状が現れる範囲は、ひとつの部位に限られる局所性ジストニアや、隣接する複数の部位に及ぶ分節性ジストニア、全身にわたる全身性ジストニアなど様々です。具体的な症状には、まぶたが不随意に閉じる眼瞼けいれん、首の筋肉が侵されるれん縮性斜頸、発声を制御する声帯の筋肉が収縮して声がひずむけいれん性発声障害、スポーツや楽器演奏などの特定の動作中だけに起こる職業性ジストニアなどが含まれます。
検査・診断
ジストニアの診断は、医師が患者の症状を詳しく確認し、身体診察の結果に基づいて下されます。また、ジストニアを引き起こしている他の病気が疑われる場合には、原因を特定するためにCT検査やMRI検査などの画像検査を行うことがあります。
治療
ジストニアの治療では、可能であれば原因となっている病気の治療を行ったり、原因薬剤を取り除いたりします。症状を軽減するための選択肢として、神経からの信号を遮断する抗コリン薬や、弱い鎮静薬、筋弛緩薬などの薬物療法が用いられます。また、過活動がみられる筋肉にボツリヌス毒素を注射して筋収縮を弱める方法も選択され、特に局所性や分節性のジストニアに有用です。重度の全身性ジストニアで薬剤の効果が見られない場合には、脳の特定の領域に電極を埋め込む脳深部刺激療法が行われることもあります。
セルフケア・日常生活
理学療法は一部の患者にとって有用であり、特にボツリヌス毒素による治療を受けた人と組み合わせて行うことで役立つことがあります。日常生活においては、特定の動作が引き金となってけいれんが起きる場合があるため、症状の出る活動やその頻度を確認しながら過ごすことが大切です。
経過・見通し
初期には特定の活動中や定期的にのみ起きていたけいれんが、数日、数週間、あるいは数年かけて頻度が高くなり、安静時にも見られるようになることがあります。最終的には患部がねじれたまま固定されてしまう場合もあり、進行すると重度な身体障害を残すことがあります。ただし、ドパ反応性ジストニアのようにレボドパの使用により劇的な改善が得られる場合もあり、原因や病型によって経過は異なります。
ジストニアに関連する国家試験問題
出典
- MSDマニュアル家庭版
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