病気の解説

ベイカー嚢胞

まず相談する診療科整形外科
この解説の項目8項目

すぐに受診が必要な場合

  • 脚の痛みや腫れに加えて、息苦しさや胸の痛みがあるとき:肺の血管に血の塊が詰まっている可能性があり、救急車を呼ぶなど救急での対応が必要です。自分で運転して行かないでください。(英国の公的医療情報)
  • ふくらはぎの痛みや腫れが急にひどくなった、脚が熱をもつ、赤みやあざが出てきたとき:嚢胞が破れたか、脚の静脈に血栓ができた(深部静脈血栓症)おそれがあり、急いで受診することが勧められます。(英国の公的医療情報)

出典:英国の公的医療情報(NHS「Baker's cyst」)

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • 膝の裏に、何か分からないふくらみやしこりがあるとき(英国の公的医療情報)
  • 膝の裏が張って、曲げると窮屈に感じる、伸ばすと痛むとき(日本臨床整形外科学会)

相談先は整形外科です。膝の裏のふくらみは、嚢胞以外の腫れものや血栓でも起こることがあるため、症状だけで病名は判断できません(日本臨床整形外科学会)(MSDマニュアル家庭版)。

基本

ベイカー嚢胞とは

ベイカー嚢胞は、膝の裏側にできる、関節液(滑液)のたまった袋です。膝窩嚢胞とも呼ばれます(日本臨床整形外科学会)(英国の公的医療情報)。膝の関節の中で関節液が多く作られると、その液が関節の後ろ側の袋に流れ込んでふくらみます(日本臨床整形外科学会)。自然に小さくなることや、原因となっている膝の病気を治療すると改善することがあります(英国の公的医療情報)。

主な症状

症状がないことも多いとされます(MSDマニュアル家庭版)。症状がある場合は次のようなものです。(英国の公的医療情報)(日本臨床整形外科学会)

  • 膝の裏のやわらかいふくらみ(立つと目立ちやすい)
  • 膝の裏の張り、こわばり、痛み
  • 膝を曲げにくい、曲げると窮屈に感じる

次のようなことが起こる場合もあります。

  • 膝の裏の静脈が嚢胞に押されて、まれに血栓ができる(MSDマニュアル家庭版)
  • 袋が破れて液が漏れ、ふくらはぎが腫れて痛む。症状が静脈の血栓(深部静脈血栓症)とよく似る(日本臨床整形外科学会)(MSDマニュアル家庭版)
  • 大きくなった袋が、ふくらはぎの筋肉の中まで広がる(日本臨床整形外科学会)

原因・なりやすい要因

大人では、膝の関節に負担や傷みを生じる病気が背景にあることが多いとされます(英国の公的医療情報)。

  • 変形性膝関節症(日本臨床整形外科学会)(英国の公的医療情報)
  • 関節リウマチなど関節に炎症が起こる病気(MSDマニュアル家庭版)(英国の公的医療情報)
  • 痛風(英国の公的医療情報)
  • 膝のけが(英国の公的医療情報)、膝の使いすぎ(日本臨床整形外科学会)(MSDマニュアル家庭版)

はっきりした原因が分からないこともあり、子どもにみられることもあります(日本臨床整形外科学会)(英国の公的医療情報)。中高年に多いとされます(日本臨床整形外科学会)(英国の公的医療情報)。

検査と診断

診断

超音波検査やMRI検査は、膝の裏のふくらみがほかの腫れものではないか、深部静脈血栓症ではないかを確かめるために使われます。診断そのものは、医師が膝の裏を見て触れることでつくことが多いとされます。(日本臨床整形外科学会)(MSDマニュアル家庭版)

治療

治療

症状が軽ければ、特別な治療をせずに様子をみることもあります。子どもでは自然によくなることがあるとされます(英国の公的医療情報)。

  • 原因となる膝の病気の治療:関節炎などを治療すると、嚢胞の痛みや腫れもおさまることが多いとされます(MSDマニュアル家庭版)(英国の公的医療情報)。
  • 痛み止め:消炎鎮痛薬で痛みや腫れをやわらげます(MSDマニュアル家庭版)。
  • 穿刺・注射:針を刺して液を抜き、ステロイド薬を注射して液が作られるのを抑えることがあります(日本臨床整形外科学会)。
  • リハビリ:理学療法が行われることがあります(英国の公的医療情報)。
  • 手術:ほかの治療で効果がなく症状に強く困る場合に、嚢胞を切除することがありますが、まれとされます(日本臨床整形外科学会)(MSDマニュアル家庭版)。

よくなるまでに数か月から数年かかることがあります(英国の公的医療情報)。

日常生活の注意・セルフケア

医療機関の指示がある場合はそれを優先してください。痛みや腫れがあるときは、次のような方法が勧められています。(英国の公的医療情報)

  • 膝を休ませる
  • タオルで包んだ保冷剤を短時間当てて冷やす
  • 横になるときにクッションなどで脚を高くする

嚢胞が破れた場合、腫れが引くまで数週間は症状が強くなることがあります(英国の公的医療情報)。

整形外科で扱うほかの病気

出典

英国の公的医療情報(NHS「Baker's cyst」) / 日本臨床整形外科学会「ベーカー嚢胞(嚢腫)」 / MSDマニュアル家庭版「ベイカー嚢胞」
「英国の公的医療情報」と記した部分: Contains public sector information licensed under the Open Government Licence v3.0.(英語の公的情報を日本語に翻訳・要約して含みます)
内容の確認日:2026-10-18(次回確認予定 2027-04-18)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。