病気の解説

ラッサ熱

別名:ラッサウイルス

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受診の目安

ラッサ熱は主に西アフリカ(ナイジェリア、シエラレオネ、リベリア、ギニアなど)でみられるウイルス感染症で、日本国内で感染することは通常ありません。

  • 西アフリカに滞在し、帰国後おおむね3週間以内に発熱・だるさ・頭痛などが出たときは、医療機関(感染症内科など)を受診してください。
  • 受診するときは、渡航先・滞在時期・ネズミやその排泄物との接触の有無を必ず医師に伝えてください。
  • 出血、息苦しさ、顔のむくみ、胸・背中・おなかの痛みなどが出た場合は、重症化のおそれがあります。

ラッサ熱は、特に初期にはマラリアや腸チフスなどほかの病気と区別が難しく、症状だけで病名は判断できません。

出典:世界保健機関(WHO)、米国疾病予防管理センター(CDC)

基本

概要

ラッサ熱はウイルス性の感染症です。潜伏期間は5~16日で、発熱や倦怠感などの初期症状から始まり、のちに喉の痛みや咳、胸痛、吐き気・嘔吐・下痢などの消化管症状がみられることがあります。血液検査や肝機能の異常がみられることがあり、粘膜出血や感音難聴を伴うこともあります。重症化するとショックやせん息、胸水、発作などが認められることがあります。回復には4~7日程度で熱が下がることがありますが、重症例では予後が悪くなることがあります。発熱の程度や肝機能の状態は重症度と関連します。後期には脱毛や虹彩毛様体炎、一過性の失明などの症状がみられることがあります。

主な症状

初期には発熱、脱力、倦怠感、悪心・嘔吐・下痢・嚥下困難・胃痛などの消化管症状がみられ、肝機能の症状が現れることがあります。4~5日かけて疲労感が強くなり、咽頭痛・咳・胸痛・嘔吐が出てくることがあります。重症例では顔の腫れや胸の水分、出血、低血圧がみられることがあり、粘膜出血は最大40%の患者で認められることがあります。耳鳴り・鼻出血・皮疹・めまいがみられることもあります。感音難聴は20~30%の患者に発生し、しばしば慢性化します。解熱には4~7日かかることがあります。重症化するとショック、せん妄、呼吸音の異常、胸水、全身痙攣を伴うことがあります。後期には脱毛や虹彩毛様体炎、一過性の失明などが報告されています。

検査と診断

診断

診断にはPCR検査または血清学的検査が用いられます。曝露の可能性がある患者で原因不明の疾患が複数の臓器で生じた場合、ラッサ熱が疑われます。肝機能・尿・血清学検査・血算を行い、タンパク尿がみられることが多いです。AST・ALTが通常値の10倍程度まで上昇し、乳酸脱水素酵素も同様に上昇することがあります。最も迅速な検査はPCRです。IgM抗体やIgG抗体の変化でも診断の根拠になります。通常はPCR検査と血清学的検査の両方で診断を確定します。検査室での培養はリスクが高いため、バイオセーフティレベル4の設備で行われます。肺病変が疑われる場合は胸部X線が行われ、肺底部の肺炎や胸水が認められることがあります。

治療

治療

治療としてリバビリンを投与してもよいとされています。回復期の血漿は有益でないとされ、推奨されません。水分・電解質バランスの補正などの支持療法が不可欠です。妊娠している感染者では中絶により母体死亡リスクが低下する可能性があると記されています。

経過と生活

予防

ラッサ熱の予防としては、治療時の個人防護具の使用や空気感染対策が推奨されます。流行地域では、感染した齧歯類が排泄する物や場所を避けることが重要です。現時点でラッサ熱のワクチンは利用できません。

経過・予後

通常は発症後7~31日で回復するか死亡します。重症で入院したケースの約15~20%が死亡するとされています。妊娠中は特に第3トリメスターで重症化しやすく、妊娠した人の多くは胎児を失うことがあります。

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出典

参考: MSDマニュアルプロフェッショナル版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:WHO Fact sheet: Lassa fever / CDC: About Lassa Fever(2026-10-13 確認)

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。