病気の解説
ラムゼイハント症候群
受診の目安
- 片側の顔が動かしにくい(まぶたが閉じにくい、口の端から飲み物がこぼれる、など)と感じたとき
- 耳の穴や耳たぶのまわりに、痛みを伴う水ぶくれが出たとき
- 耳の痛みとともに、耳鳴り、聞こえにくさ、ぐるぐる回るめまいが出たとき
- 顔の症状と耳の症状が別々の日に始まったとき(同時に出るとは限りません)
相談先は耳鼻咽喉科です。発疹が目立つ場合は皮膚科でもかまいません。治療は症状が出てから3日以内に始めると効果が最も期待できるとされるため(NORD)、様子を見すぎずに早めに受診しましょう。顔のまひには発疹を伴わない別の病気(ベル麻痺など)もあり、症状だけで病名を決めることはできません(NORD)。
基本
ラムゼイハント症候群とは
子どものころにかかった水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)は、治ったあとも神経の中に潜んでいます。このウイルスが再び活動を始めて顔の神経(顔面神経)に及ぶと、顔のまひと耳のまわりの発疹などが起こります。これがラムゼイハント症候群です(NORD)。帯状疱疹が耳の周囲に出たときの合併症の一つと位置づけられます(MedlinePlus)。
主な症状
- 顔のまひ:片側の顔の筋肉が弱くなったり動かなくなったりします。発症から1週間ほどで最も強くなることが多いとされます。まぶたがしっかり閉じなくなることもあります(NORD)。
- 耳の発疹と痛み:耳の外側や耳の穴に、痛みのある水ぶくれができます。口の中に発疹が出ることもあります(NORD)。
- 耳の奥の症状:耳鳴り、めまい、吐き気・嘔吐、患った側の聞こえの低下がみられることがあります。聞こえの低下は一時的なことが多いとされます(NORD)。
- そのほか:音が実際より大きく響いて聞こえる、痛みが首まで広がる、といった症状が出る人もいます(NORD)。
原因・なりやすい要因
原因は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化です。なぜ顔面神経が侵されるのかは分かっていません(NORD)。患者の多くは60歳を超えた人で、子どもにはきわめてまれとされます(NORD)。帯状疱疹全般として、年齢が上がるほど、また病気や薬で免疫の力が落ちている人ほどかかりやすいとされています(MedlinePlus)。
この病気そのものが人にうつるわけではありません。ただし、水ぼうそうにかかったこともワクチン接種もない人は、水ぶくれの中身に触れると水ぼうそうになることがあるため、かさぶたになるまでは、そうした人や免疫の弱い人との接触を避けるよう勧められています(NORD)(MedlinePlus)。
検査と診断
診断
片側の顔のまひや耳の発疹といった特徴的な症状と、診察・問診をもとに診断されます。水ぶくれの液を調べて確かめることもあります(NORD)。発疹のない顔面まひ、聴神経の腫瘍、三叉神経痛などとの見分けが必要とされます(NORD)。
治療
治療
- 薬による治療:抗ウイルス薬と、炎症を抑えるステロイド薬を組み合わせるのが一般的とされます(NORD)。
- 症状ごとの対応:痛み止め、めまいへの薬、目の保護(まぶたが閉じにくい場合)、顔の筋肉のリハビリなどが症状に応じて行われます(NORD)。
日常生活の注意
治療やケアの方法は、医療機関の指示を優先してください。
- まぶたが閉じにくいと目の表面が乾いて傷つきやすくなるため、目の保護について医師に相談します(NORD)。
- 水ぶくれがかさぶたになるまでは、水ぼうそうにかかったことがない人やワクチンを受けていない人、免疫の弱い人との接触を控えます(NORD)。
経過と生活
予防
子どもの水ぼうそうワクチンや、50歳以上を対象とした帯状疱疹ワクチンが、このウイルスによる病気のリスクを下げるとされています(NORD)(MedlinePlus)。
経過
早く治療を始めれば、経過はおおむね良好とされます。一方で、顔のまひや難聴が残ってしまう人もいます(NORD)。まれに、味覚の変化、目の表面の傷による視力低下、顔の筋肉が意図せず一緒に動いてしまう症状、発疹が治ったあとも続く神経の痛みなどが起こることがあります(NORD)。
耳鼻咽喉科で扱うほかの病気
出典
NORD(米国希少疾患機構)「Ramsay Hunt Syndrome」 / MedlinePlus「Shingles」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。