病気

乏尿

乏尿とは、体の中で作られる尿の量が通常よりも減ってしまう状態を指します。成人の場合は24時間の尿量が一定の基準を下回ることで確認され、体の水分バランスや腎臓の機能に何らかの異常が生じているサインです。原因を見極めるためには医師の診察と詳しい検査が必要です。

とは

乏尿とは、排泄される尿の量が非常に少なくなる状態のことです。成人では24時間の尿量が500mL未満である場合や、時間あたりの尿量が一定の基準未満に低下した場合を指します。新生児や小児においてもそれぞれの体重に応じた基準が設けられており、体内の血流や腎臓、尿の通り道などに大きな負担やトラブルが生じていることを示しています。

原因と仕組み

乏尿の原因は、大きく分けて腎臓へ流れ込む血流が減る腎前性、腎臓そのものに障害が起きる腎性、尿の通り道が塞がる腎後性の3つに分類されます。具体的には、出血や脱水による循環血液量の減少、心機能の低下、特定の薬剤の使用、前立腺肥大症や尿路結石による機械的な閉塞などが挙げられます。これらが複雑に関係し、体内で十分に尿を作れなくなったり排泄できなくなったりします。

症状

乏尿そのものが尿量の減少というサインとして現れるほか、原因となる病態に応じたさまざまな症状が伴います。例えば、口の渇きや血圧低下、発熱、心不全の徴候などがみられることがあります。また、尿の通り道が詰まっている場合には強い尿意を感じることがあり、尿の色が暗褐色に変色している場合は筋肉の障害などを示すサインであることもあります。

受診の目安

尿量が急激に減少したり、いつもと違う尿の出方に気づいたりした場合には注意が必要です。血圧の低下や発熱、激しい痛みなどの全身症状を伴う場合や、尿が出ない状態が続く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。正確な原因を特定し適切な対応を行うため、医師の判断を仰ぎましょう。

検査・診断

原因を調べるためには、まず問診や身体診察が行われます。血圧の確認や心臓・腹部の状態チェックに加え、必要に応じて血液検査や尿検査が行われます。血清電解質、血中尿素窒素、クレアチニンの測定や、必要に応じた各種排泄率の計算などを行い、腎臓の働きや乏尿の引き金となった原因を詳しく評価していきます。

治療

治療にあたっては、特定された原因を取り除くことが基本方針となります。尿路の閉塞がある場合はその解消を行い、不足している体液の補給や心拍出量を正常化するための処置が進められます。腎臓に負担をかける薬剤の調整や中止が必要になることもあり、病状に応じて適切な医療処置や腎代替療法などが検討されます。

セルフケア・日常生活

日常生活においては、自己判断で市販の薬を服用したり水分摂取を極端に変えたりせず、医師の指示に従うことが重要です。また、処方された薬剤の管理や体調の変化に注意し、少しでも異常を感じた場合は速やかに医療従事者に相談するようにしてください。

予防・再発防止

再発やさらなる腎機能の低下を防ぐためには、低血圧を避けることや、腎臓に負担がかかる状況をなるべく作らないことが大切です。持病がある場合は定期的な受診と適切な管理を続け、医師の指導を守って生活習慣を整えることが予防につながります。

経過・見通し

乏尿の経過や見通しは、引き起こされた原因や体の状態によって大きく異なります。早期に原因が特定され適切な治療が行われれば回復に向かうこともありますが、原因や不可逆的な腎不全の有無によっては持続的な治療や経過観察が必要になる場合もあります。

関連する症状

乏尿に関連する国家試験問題

出典

  • MSDマニュアル プロフェッショナル版

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