病気の解説
吃音
受診の目安
子どもの場合、次のようなときは専門家への相談が勧められています(国立障害者リハビリテーションセンター)(NIDCD)。
- 吃音が長く続いている(日本の資料では1年以上、米国の資料では3〜6か月以上が目安として挙げられています)
- その間に症状が悪くなっている
- 話し方が苦しそう、話すときに体に力が入る・まばたきが増えるなどの様子がある
- 本人が話し方を気にしている
- 小学校入学まで1年を切っている
- 家族に吃音のある人がいる
吃音の評価や指導は、主に言語聴覚士が担当します。言語聴覚士がいる医療機関の診療科は、耳鼻咽喉科・小児科・リハビリテーション科など施設によってさまざまです。地域の保健センターや都道府県の言語聴覚士会に問い合わせると、相談先を紹介してもらえます。小学校の「ことばの教室」が就学前の相談を受けていることもあります(国立障害者リハビリテーションセンター)。大人の吃音や、脳卒中・頭のけがのあとに急に話しにくくなった場合も、まず医療機関に相談してください(NIDCD)。
話しにくさには吃音以外の原因もあり、症状だけで判断することはできません。
基本
吃音とは
吃音は、話すときに音をくり返したり、引き伸ばしたり、ことばが詰まって出てこなくなったりして、なめらかに話しにくくなる状態です(NIDCD)(国立障害者リハビリテーションセンター)。多くは、ことばを覚えていく幼児期に始まる「発達性吃音」です(NIDCD)。幼児期には100人のうち5〜10人が吃音になると報告されていますが、その多くは自然に良くなるとされています(国立障害者リハビリテーションセンター)。日本では、発達性吃音は発達障害者支援法の対象とされています(国立障害者リハビリテーションセンター)。
主な症状
吃音らしさが強いのは、次の3つの話し方です(国立障害者リハビリテーションセンター)。
- くり返し:ことばの一部をくり返す(「な、な、な、なつやすみ」)
- 引き伸ばし:最初の音を長く伸ばす(「よーーんかい」)
- ブロック:ことばが詰まって出てこない
言いにくいときに、手足を動かす、頭を振る、まばたきをする、大きく息を吸うといった動き(随伴症状)が見られることもあります(国立障害者リハビリテーションセンター)(NIDCD)。一方、「えっとね」などのはさみこみや、語句単位のくり返し・言い直しは、吃音のない子どもにもよくみられます(国立障害者リハビリテーションセンター)。
原因・なりやすい要因
しくみは完全にはわかっていませんが、発達性吃音には遺伝を含む複数の要因が関わると考えられています(NIDCD)。もともとの話しことばのつかえやすさという体質が大きく、そこに、ことばが急に伸びる時期や、弟妹の誕生・引っ越し・入園といった身近な環境の変化が重なると始まったり続いたりする、と説明されています(国立障害者リハビリテーションセンター)。かつて言われた「育て方のせい」という考えは、現在は否定されています(国立障害者リハビリテーションセンター)。
このほか、脳卒中や頭のけがなどのあとに起こる吃音(神経原性吃音)もあります(NIDCD)。
検査と診断
診断
言語聴覚士が、これまでの経過や話し方の特徴、ことばの発達、生活への影響などを確かめて判断します。幼い子どもでは、家族歴や続いている期間、ほかのことばの問題の有無などから、吃音が続きそうかどうかも見立てます(NIDCD)。
治療
治療
- 子ども:早めの支援で、吃音が長く続くのを防げる可能性があるとされます(NIDCD)。家族が話しやすい環境を整える方法を学ぶ指導などが行われます(NIDCD)(国立障害者リハビリテーションセンター)。
- 思春期・大人:ゆっくり話す、呼吸を整えるといった練習で吃音を軽くする方法や、話すことへの不安を和らげる取り組みが行われます(NIDCD)。
- 薬:吃音を治す薬は確立していません。ほかの病気の薬が試されることはありますが、副作用のため長く使い続けにくいとされています(NIDCD)。市販薬で治るものではありません。
同じ悩みをもつ人の集まり(セルフヘルプグループ)も、支えや情報を得る場になります(NIDCD)。
日常生活の注意・セルフケア(周りの人の関わり方)
専門家から指導を受けている場合は、その内容を優先してください。一般に、子どもが話しやすくなるとされる関わり方は次のとおりです(国立障害者リハビリテーションセンター)(NIDCD)。
- 大人自身がゆったり、短く簡単なことばで話す(子どもに「ゆっくり話して」とは言わない)
- 話し方ではなく、話の中身に耳を傾ける
- 質問を控えめにし、子どもの話したいことに合わせる
- 言い直させたり、先回りして言葉を補ったりしない
- きょうだいで話すときは順番を決め、落ち着いて話せるようにする
からかいや真似には、周りの大人がきちんと向き合い、「わざとではないこと」を伝えることが大切とされています(国立障害者リハビリテーションセンター)。
経過と生活
経過
幼児期に始まった吃音は、2〜3年後には6割、幼児期のうちにおよそ7割が治ると報告されています(国立障害者リハビリテーションセンター)。米国の資料でも、子どもの約75%は回復し、約25%は大人になっても続くとされています(NIDCD)。幼児期の吃音は波が大きく、良くなったと思っても再び目立つことがあるため、3か月〜半年単位の長い目で見守ることが勧められています(国立障害者リハビリテーションセンター)。
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出典
米国立聴覚・伝達障害研究所(NIDCD)「Stuttering」 / 国立障害者リハビリテーションセンター研究所ほか「吃音(どもっている)かなと思ったら」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。