病気の解説
注意欠如多動症
別名:ADHD、注意欠陥多動性障害、注意欠如・多動症
受診の目安
注意欠如多動症では、就学前は落ち着きのなさや対人関係の難しさが目立つことがあり、学齢期には注意が散漫に見えることがあります。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、精神科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
注意欠如多動症(ADHD)は、注意を持続することや行動の制御が難しい状態です。成人になると集中力の低下や課題をやり遂げられない感じ、落ち着きのなさ、気分の変動、忍耐力のなさ、関係を維持しづらいといった症状が見られることがあります。診断は、症状が少なくとも2つの場面で6つ以上現れ、長期にわたり続くことを確認して行われます。診断には臨床的評価や質問票が用いられます。
主な症状
ADHDの主な特徴は、注意を持続させること、集中力、課題を終わらせる能力の不足です。就学前は落ち着きのなさや対人関係の難しさが目立つことがあり、学齢期には注意が散漫に見えることがあります。落ち着きのなさや衝動的な言動が現れることもあります。
原因
現在、ADHDの確定的な原因は分かっていません。遺伝の要因が関与する可能性が高いとされ、脳内の神経伝達物質の異常が関係する可能性が示唆されています。低出生体重や頭部損傷、脳の感染、鉄欠乏、閉塞性睡眠時無呼吸、鉛曝露、出生前のアルコールや喫煙、コカイン曝露などが危険因子として挙げられています。
検査と診断
診断
診断は、不注意の徴候または多動性・衝動性の徴候が6つ以上認められ、複数の場面で観察され、6カ月以上継続していることを基準に行われます。家庭と学校など、異なる環境で現れることが重要です。臨床検査は行われず、質問票などの情報から総合的に判断します。
治療
治療
治療の基本は年齢に応じた介入です。就学前では行動療法が第一歩となることが多く、効果が不十分な場合や症状が重い場合には薬物療法が考慮されます。学齢期では薬物治療を併用した行動療法が推奨されることがあります。学校や公共施設での配慮や支援も含まれ、個別の教育支援が提供される場合があります。
使われる薬
薬物治療としては精神刺激薬が最も効果的とされ、メチルフェニデートなどのアンフェタミン様薬が用いられることがあります。長時間作用型の製剤もあり、睡眠障害や食欲減退、頭痛、腹痛、心拍数・血圧の上昇、抑うつなどの副作用が起こる可能性があります。成長への影響を懸念して体重・身長のモニタリングが行われることがあります。
経過と生活
生活上の注意
日常生活では、決まった日課を守ることやスケジュールを整えることが、ADHDの影響を小さくするのに役立つことがあります。適切な支援教育や育児方法とともに、行動療法を組み合わせる場合もあります。
経過・予後
多くの子どもは成長すると学習や対人関係の課題に適応するようになりますが、不注意は残る場合があります。治療を受けなかった場合には alcohol や物質乱用、自傷などのリスクが高まる可能性が指摘されています。青年期や成人期には状況に応じた対応が求められます。
精神科で扱うほかの病気
出典
参考: 注意欠如多動症(ADHD) - 23. 小児の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。