病気の解説

後弯症

まず相談する診療科整形外科
この解説の項目8項目

受診の目安

  • 背中の上のほうが丸く盛り上がって見える、肩が前に丸まっている、と家族や学校健診で指摘されたとき
  • 背すじを伸ばそうとしても背中の丸みが戻らないとき
  • 背中の痛みやこわばりが続くとき
  • 背中の丸みが短い期間で目立ってきたとき(AAOS)
  • 脚の力が入りにくい、しびれ・ピリピリ感がある、排尿や排便の様子が変わった、息苦しいといった症状を伴うときは、早めに受診してください(AAOS)

相談先は整形外科です。姿勢のくせによるものか、背骨の形の変化によるものかは見た目だけでは区別できず、診察やエックス線検査で確認します(AAOS)(MSDマニュアル家庭版)。

基本

後弯症とは

後弯症は、背骨のうち胸のあたり(胸椎)の前かがみの曲がりが強くなり、背中の上部が丸くなる状態です(AAOS)(MSDマニュアル家庭版)。もともと胸の背骨はゆるやかに丸みを帯びていますが、その丸みが大きくなりすぎた状態をいいます(AAOS)。どの年齢でも起こりえますが、思春期に見つかることが多いとされます(AAOS)。

主な症状

曲がりが軽いうちは、ほとんど症状がないこともあります(AAOS)(MSDマニュアル家庭版)。

  • 見た目の変化:肩が丸く見える、背中の上部が盛り上がる、猫背が目立つ
  • 体の不調:軽い背中の痛み、疲れやすさ、背骨のこわばり、太ももの裏側の筋肉の硬さ(AAOS)

曲がりが強くなると、胸の動きが妨げられて呼吸に影響が出たり、まれに神経が圧迫されて脚の力やしびれに影響したりすることがあるとされます(AAOS)(MSDマニュアル家庭版)。

原因・タイプ

原因によっていくつかのタイプに分けられます(AAOS)(MSDマニュアル家庭版)。

  • 姿勢によるもの:猫背などの姿勢と関係し、背骨そのものの形には大きな異常がありません。背すじを伸ばすと丸みが戻るのが特徴で、痛むことは少なく、進みにくいとされます。女の子に多いとされます(AAOS)。
  • ショイエルマン病:成長期に背骨のいくつかが前の部分の低いくさび形になり、背中が硬く丸まったまま戻らなくなるものです。骨の成長板の病気の一つとされ、男の子にやや多く、はっきりした原因はわかっていませんが家族に見られることもあります(MSDマニュアル家庭版)(AAOS)。成長が終わると曲がりの進行は止まるとされます(AAOS)。
  • 生まれつきのもの:おなかの中で背骨がうまく形づくられなかったために起こり、成長とともに曲がりが強くなる傾向があります。心臓や腎臓など、ほかの臓器の病気を伴うこともあります(AAOS)。

このほか、骨折や感染症、腫瘍などがまれな原因になることもあります(MSDマニュアル家庭版)。

検査と診断

診断

学校での背骨の検診や、家族が背中の形の変化に気づいたことがきっかけで見つかることがよくあります(AAOS)(MSDマニュアル家庭版)。診察では、前かがみになったときの背中の形や、寝た姿勢で丸みが戻るかどうかを確かめます。エックス線検査で曲がりの大きさや背骨の形の変化を調べ、必要に応じてMRIやCT、呼吸の機能の検査が行われます(AAOS)(MSDマニュアル家庭版)。

治療

治療

治療は、タイプ・年齢・曲がりの強さによって決められます(AAOS)。

  • 経過をみる:成長が終わるまで、定期的に受診して曲がりの変化を確認します(AAOS)。
  • 運動療法:おなかや背中の筋肉をきたえ、太ももの裏をのばし、姿勢を整える運動が勧められます。姿勢によるタイプでは、これが治療の中心になります(AAOS)(MSDマニュアル家庭版)。
  • 痛みへの対応:痛み止めの薬が使われることがあります(AAOS)。
  • 装具:成長期のショイエルマン病では、体幹を支える装具が使われることがあります(AAOS)(MSDマニュアル家庭版)。
  • 手術:生まれつきのタイプや、曲がりが非常に強い場合、痛みが強い場合などに検討され、背骨を矯正して固定する方法がとられます(AAOS)(MSDマニュアル家庭版)。

日常生活の注意・セルフケア

運動や装具の使い方は、医療機関の指示を優先してください。

  • 指導された筋力トレーニングやストレッチを続けます(AAOS)。
  • ショイエルマン病で痛みがある場合、背中に大きな負担のかかる激しい運動を控えることで、痛みがやわらぐことがあるとされます(MSDマニュアル家庭版)。

経過と生活

経過

早く見つかれば、手術をせずに治療でき、活動的な生活を送れる人が多いとされます(AAOS)。一方、曲がりが進むと大人になってから問題が出ることもあるため、手術の有無にかかわらず定期的に経過をみることが大切です(AAOS)。まれに、治療を続けても曲がりが進んで手術が必要になることがあります(MSDマニュアル家庭版)。

整形外科で扱うほかの病気

出典

米国整形外科学会(AAOS)OrthoInfo「Kyphosis (Roundback) of the Spine」 / MSDマニュアル家庭版「脊柱後弯症」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。