病気の解説
急性腎障害
緊急性の高い症状
急性腎障害は、体の水分や電解質(カリウムなど)のバランスが大きく崩れ、命に危険が及ぶことがあり、救急医療が必要になる重い場合もあるとされています(済生会)(日本腎臓学会)。次のようなときは、すぐに医療機関を受診してください。意識がおかしい、けいれんしているなど、自力で受診できない状態なら救急車(119番)を呼んでください。
- 尿がほとんど、またはまったく出ない状態が続く(済生会)
- けいれんが起きた(済生会)
出典:済生会「急性腎不全」、日本腎臓学会「急性腎障害と慢性腎臓病」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 尿の量が急に減った、尿の色が茶色っぽい・赤っぽいとき(済生会)(日本腎臓学会)
- むくみ、食欲の低下、全身のだるさが続くとき(日本腎臓学会)
- 下痢・嘔吐・発熱・大量の汗などで水分がとれず、口の渇きや立ちくらみがあるとき。1日で体重が大きく減った場合は脱水の可能性があるとされます(済生会)。
- 入院中や薬を飲み始めた後に、血液検査で腎臓の数値が悪いと言われたとき(日本腎臓学会)
相談先は内科・腎臓内科です。急性腎障害は、症状がないまま血液検査で見つかることも多く、本人が早く気づくのは難しいとされます(日本腎臓学会)(済生会)。症状だけで病名を判断することはできないため、血液や尿の検査で確かめることが大切です。
基本
急性腎障害とは
急性腎障害は、数時間から数日のうちに腎臓のはたらきが急に落ちる状態です。以前は「急性腎不全」と呼ばれていました(日本腎臓学会)。腎臓が老廃物を尿に出せなくなり、体の水分や塩分の量を調整することも難しくなります(日本腎臓学会)。最近は、手術や重い感染症のあとに、いくつもの臓器の不調の一部として起こることが多いとされます(済生会)。
主な症状
- 尿の量が減る、出なくなる(ただし、尿の量が減らないこともあります)(日本腎臓学会)(済生会)
- むくみ(日本腎臓学会)
- 食欲がない、吐き気がする、全身がだるい、やる気が出ない(日本腎臓学会)(済生会)
- 血の混じった尿、茶色い尿(済生会)
- 重くなると、けいれんが起こることもあります(済生会)。
脱水が原因のときは、むくみよりも口の渇き、だるさ、立ちくらみが目立つことがあります(済生会)。
原因・なりやすい要因
原因は、大きく3つに分けて考えられます(日本腎臓学会)(済生会)。
- 腎臓に流れる血液が減る:脱水、出血、心臓のはたらきの低下などで、腎臓への血流が落ちます。
- 腎臓そのものが傷む:腎臓の炎症、腎臓の細い管(尿細管)の細胞の障害、薬・造影剤・毒物、重い感染症などによります。
- 尿の通り道がふさがる:尿路結石、腫瘍、前立腺肥大症などで尿が出にくくなります。
薬が原因で腎臓が傷むこともあり、原因の薬を早めに中止・減量することが大切とされます(日本腎臓学会)。高齢の方や、もともと慢性腎臓病がある方は、急性腎障害を起こしやすいと報告されています(日本腎臓学会)。
検査と診断
診断
血液検査で、老廃物の値(尿素窒素、クレアチニン)や、カリウムの値が上がっているかを調べます(日本腎臓学会)(済生会)。原因を探すため、超音波検査やCTで腎臓や尿の通り道を確認することもあります(済生会)。
治療
治療
- 原因の治療:できるだけ早く原因を突き止めて治療します。血流が減っている場合は点滴や輸血など、腎臓そのものの障害では原因の薬の中止や炎症を抑える治療、尿の通り道がふさがっている場合は管を入れて尿の流れを確保する処置などを行います(済生会)(日本腎臓学会)。
- 全身の管理:回復するまで、体の水分量や栄養などを整えます。多くは入院して治療します(済生会)。
- 透析:腎臓のはたらきが大きく落ちた場合や、尿の出ない状態が続く場合などは、透析で血液をきれいにして体のバランスを整えます(済生会)(日本腎臓学会)。透析が必要な期間は、通常数日から数週間とされます(済生会)。
経過と生活
経過
原因を取り除けば、腎臓のはたらきが回復する可能性があります(済生会)。ただし、回復の程度は原因の病気や合併症によって異なり、慢性腎臓病や末期腎不全に移ることも多いため注意が必要とされます(日本腎臓学会)。軽い急性腎障害をくり返すことで、慢性腎臓病に進むこともあります(済生会)。治ったあとも、医療機関の指示に沿って腎臓の検査を続けることが大切です。
腎臓内科で扱うほかの病気
出典
日本腎臓学会「急性腎障害と慢性腎臓病」 / 済生会「急性腎不全」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。