病気の解説
新生児一過性多呼吸
受診の目安
この病気は多くの場合、生まれて数時間以内に産科や新生児の病棟で見つかり、そのまま医療者の観察のもとで対応されます(KidsHealth)(MSDマニュアル家庭版)。
- 退院後に、赤ちゃんの呼吸が苦しそう、呼吸がとても速い、ミルクや母乳の飲みが悪い、口のまわりが青っぽいといった様子があれば、すぐに小児科に連絡してください(KidsHealth)。
- 唇や顔色が青い、ぐったりしている、呼吸が止まりそうに見えるときは、ためらわず救急車(119番)を呼んでください(medimichi の注記)。
新生児の速い呼吸は、感染症や肺炎、ほかの肺の病気でも起こります。様子だけで原因を判断することはできないため、医師による診察が必要です(MSDマニュアル家庭版)(Children's National Hospital)。
基本
新生児一過性多呼吸とは
生まれたばかりの赤ちゃんの肺に残った水分がなかなか吸収されず、呼吸が速く苦しそうになる状態です(KidsHealth)(Children's National Hospital)。「一過性」という名前のとおり一時的なもので、多くの赤ちゃんは数日以内によくなります(MSDマニュアル家庭版)。
主な症状
生まれてすぐ、または生後数時間のうちに、次のような様子がみられます(KidsHealth)(MSDマニュアル家庭版)。
- 呼吸が速い(1分間に60回を超える)(KidsHealth)(Children's National Hospital)
- 息を吐くときに「ウッ」とうなるような声が出る
- 小鼻がふくらむ、息を吸うときに肋骨のあいだや下がへこむ
- 血液中の酸素が足りないと、口や鼻のまわりが青っぽく見える
原因・なりやすい要因
おなかの中の赤ちゃんの肺は水分で満たされていて、生まれるころにこの水分が吸収・排出されます。この水分の吸収が遅れると、酸素を取り込みにくくなり、赤ちゃんは速く強く呼吸して補おうとします(KidsHealth)(MSDマニュアル家庭版)。
次のような場合に起こりやすいとされています(MSDマニュアル家庭版)(KidsHealth)(Children's National Hospital)。
- 帝王切開での出産、特に陣痛が始まる前の帝王切開
- 早く生まれた赤ちゃん(ただし、正期産の赤ちゃんにも多くみられる)
- 体が大きく生まれた赤ちゃん、男の子
- お母さんが妊娠中に糖尿病やぜんそくを持っていた場合
検査と診断
診断
呼吸の速さや苦しそうな様子から疑い、胸のX線検査で確かめます(MSDマニュアル家庭版)。血液中の酸素の量を測る検査や、感染症がないかを調べる血液検査も行われることがあります(KidsHealth)。似た症状の病気との区別が難しいこともあり、数日で症状が治まったことで診断がはっきりする場合もあります(Children's National Hospital)。
治療
治療
多くは新生児集中治療室(NICU)などで呼吸や酸素の状態を見守ります(KidsHealth)。
- 必要に応じて、鼻に入れる細い管やマスクなどで酸素を補います(KidsHealth)(Children's National Hospital)。
- それでも呼吸が苦しい場合は、空気の圧で肺が広がった状態を保つ装置(CPAP)を使うことがあります。ごく一部の赤ちゃんでは人工呼吸が必要になります(MSDマニュアル家庭版)。
- 呼吸が速くて上手に飲めない間は、点滴や鼻・口からの管で栄養と水分を補います(KidsHealth)(Children's National Hospital)。母乳を与えたい場合は、搾乳して保存しておくことができます(KidsHealth)。
経過と生活
経過
症状は多くの場合24〜72時間ほどでよくなり(KidsHealth)、ほとんどの赤ちゃんは2〜3日で完全に回復します(MSDマニュアル家庭版)。その後の成長や発達に影響が残らないことがほとんどとされています(KidsHealth)。ただし、ごく一部では肺の血圧が高くなる状態などを合併することがあります(MSDマニュアル家庭版)。
小児科で扱うほかの病気
出典
KidsHealth(Nemours)「Transient Tachypnea of the Newborn (TTN)」 / Children's National Hospital「Transient Tachypnea of the Newborn」 / MSDマニュアル家庭版「新生児一過性多呼吸」
内容の確認日:2026-10-18(次回確認予定 2027-04-18)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。