病気の解説

甲状腺腫

別名:単純性甲状腺腫、単純性非中毒性甲状腺腫

まず相談する診療科内分泌・代謝内科
この解説の項目18項目

受診の目安

甲状腺腫では、多くは自覚症状がなく、首の前側の腫れがみられます。こうした症状が続く・繰り返す・だんだん強くなるときや、不安があるときは、内分泌・代謝内科を受診してください。市販薬などで改善しないときも相談の目安です。

基本

概要

単純性甲状腺腫は、甲状腺の機能が正常なまま甲状腺が腫れる状態を指します。思春期や妊娠・授乳期の女性に多い傾向があり、腫れが大きくなっても症状が出ないこともあります。腫大が進むと服の首元が窮屈になるなどの圧迫感が起こることがあります。治療は腫大の程度や症状、機能に応じて決まり、必ずしも治療を要するとは限りません。

主な症状

多くは自覚症状がなく、首の前側の腫れがみられます。腫大が周囲の組織を圧迫すると、せきや声の変化、呼吸困難、嚥下困難といった症状が起こることがあります。痛みや圧痛は通常みられません。

原因

原因ははっきりとは分かっていませんが、ヨードの不足や内分泌環境の変化、薬剤の影響、食品成分の関与が考えられます。思春期の成長ホルモンの影響や妊娠中のホルモンの変化、ヨードの過不足・過剰、特定の薬剤などが関与することがあります。

病態

全身の甲状腺ホルモン需要に対して下垂体からTSHが分泌され、甲状腺の濾胞細胞が過剰に形成されて腫大が生じると考えられています。内分泌環境の変化が発生要因とされることがあります。

リスク因子

思春期・妊娠・授乳期の女性でみられる傾向があるほか、ヨード不足・過剰、特定の薬剤、嗜好品成分などが関与することがあります。

検査と診断

検査

診断には首の腫れを触診・観察し、超音波検査で大きさや内部を評価します。血液検査で甲状腺ホルモンの状態(TSH, FT3, FT4)を調べます。必要に応じて自己抗体の有無を調べることがあります。

診断

甲状腺機能が正常で腫れのみが認められる場合、単純性非中毒性甲状腺腫として診断されることがあります。悪性腫瘍など他の病変を疑う場合には追加検査が行われます。

鑑別

腫大の速さが速い、発熱・痛みがある、声の障害、頸部リンパ節の腫れなどがある場合は悪性腫瘍や亜急性甲状腺炎の可能性を考慮し専門医を受診します。抗体検査を用いて橋本病など自己免疫疾患との鑑別を行うことがあります。

治療

治療

甲状腺機能が正常で腫大のみの場合は治療を要さないことが多いです。経過観察として6~12ヶ月ごとに超音波検査を行うことがあります。気道圧迫がある場合は鑑別後、薬物療法や必要に応じて外科的治療を検討します。ヨード制限や甲状腺ホルモン補充療法、レボチロキシンの投与、漢方薬の使用が選択肢として挙げられています。大きい腫大では部分切除などの手術を検討することがあります。

使われる薬

ヨード抑制・補充を目的とした薬剤、レボチロキシンの投与が記載されています。

手術・処置

経過観察のための超音波検査、甲状腺機能検査、必要に応じた外科的手術(部分切除・葉切除)があります。

経過と生活

合併症

まれに腫大が進み気道や食道を圧迫して呼吸困難や嚥下障害、声の変化が起こることがあります。

生活上の注意

特定の食品成分が影響を与える可能性があるとされ、過剰摂取を避ける指摘がある場合があります。

予防

ヨード不足を補う取り組みが地域的には行われることがあります。

経過・予後

経過観察を中心に、腫大の変化を追います。圧迫症状が出れば治療方針を見直します。

経過・予後

特に治療を要しない場合が多く、機能は正常のままであることが多いとされています。

その他

初期症状

甲状腺腫の初期には特別な症状が現れにくいことが多く、首の腫れが第一の自己診断ポイントとなります。腫大の進行により圧迫症状が出る場合があります。

内分泌・代謝内科で扱うほかの病気

出典

参考: 「単純性甲状腺腫」の原因をご存じですか? なりやすい人の特徴を併せて医師が解説 | メディカルドック(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。