病気の解説

痙攣重積型急性脳症

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緊急性の高い症状

この病気は、熱が出た直後の長く続くけいれん(15分から1時間以上に及ぶこともあるけいれん重積状態)で始まることが多く(難病情報センター)、けいれんをできるだけ早く止める治療が重要とされています(小児慢性特定疾病情報センター)。

  • けいれんが止まらない、長く続いている
  • けいれんがおさまった後も、呼びかけへの反応が戻らない
  • 熱が出て数日たってから、再びけいれんが起き、意識がぼんやりしてきた

このようなときは、ためらわず救急車(119番)を呼んでください。

出典:難病情報センター「痙攣重積型(二相性)急性脳症(指定難病129)病気の解説(一般利用者向け)」、小児慢性特定疾病情報センター「痙攣重積型(二相性)急性脳症」

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • 熱が出たときのけいれんの後、いったん落ち着いたように見えても、ぼんやりしている、いつもと様子が違うといった状態が続くときは、すぐに小児科を受診してください。発病後しばらくは意識がいったん良くなる傾向を示すことが多いものの、完全には戻らないことが多いとされています(小児慢性特定疾病情報センター)(難病情報センター)。
  • 2回目のけいれんは短い発作がくり返し起こる形が多く、軽い症状で気づきにくいこともあります(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。熱が出て数日以内に、手足がぴくつく、目線が合わない、反応が鈍いといった変化があれば受診してください。
  • この病気にかかった後は、数か月以上たってからてんかんの発作が出てくることがあります(小児慢性特定疾病情報センター)。新しい発作に気づいたら、主治医に相談してください。

発病から数日のあいだは、長引いた熱性けいれんとの区別がとても難しいとされています(小児慢性特定疾病情報センター)。症状だけで病名は判断できないため、自己判断せず医師の診察を受けてください。

基本

痙攣重積型(二相性)急性脳症とは

痙攣重積型(二相性)急性脳症(英語の略称 AESD)は、突発性発疹やインフルエンザなどの感染症をきっかけに、けいれんと脳の障害が起こる病気です。日本で見つかった病気で、感染に伴う子どもの急性脳症の中では、日本で最も多い型です(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。

長いけいれんで始まり、数日後にもう一度けいれんが起きる「二相性」の経過と、MRI検査での特徴的な脳の変化が特徴です(小児慢性特定疾病情報センター)。新たに発病するのは1年に100〜200人ほどと推定され、生後6か月から1歳代での発病が最も多く、男女差はないとされています(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。国の指定難病で、小児慢性特定疾病の対象でもあります(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。

主な症状と経過

  • 始まり:感染症で熱が出てから24時間以内に、けいれんで発病することが多く、長いけいれん(けいれん重積状態)になることが多いとされます。けいれんの後も意識の低下が続くことがよくあります(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。
  • 一時的な回復:その後の数日間は、意識がいったん良くなる傾向がみられます(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。
  • 2回目のけいれん:発熱から4〜6日ごろに、短いけいれんが続けて起こり、それとともに意識の状態が再び悪くなります(難病情報センター)。
  • 回復期:意識は少しずつ改善していきます。この時期に、反り返る、手足を振り回す、口をもぐもぐさせるといった目的のない動きをくり返すことがありますが、多くはその後ほぼ消えていきます(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。

原因・なりやすい要因

はっきりとした原因はわかっていません(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。きっかけとなる感染症としては、突発性発疹とインフルエンザが特に多く、ロタウイルス胃腸炎やRSウイルス感染症などが続きます(小児慢性特定疾病情報センター)。

なりやすい体質として、いくつかの遺伝子の型が関係していることがわかってきています。ただし、はっきりと遺伝する病気ではありません(難病情報センター)。また、テオフィリンなど一部の薬が病気を悪化させる可能性が指摘されています(小児慢性特定疾病情報センター)(難病情報センター)。

検査と診断

診断

診断で最も重要なのは頭部のMRI検査です。発病から1〜2日目のMRIは正常なことが多い一方、3〜9日目ごろの拡散強調画像という撮り方で、脳の表面に近い白質に特徴的な変化が見られます(小児慢性特定疾病情報センター)(難病情報センター)。

血液検査や髄液検査では、この病気だけに特有の結果は出ません。脳波検査は、脳の働きをその場で評価するのに役立ちます(小児慢性特定疾病情報センター)。症状が似るほかの脳症や脳炎、MRIで似た変化を示す頭のけがや低酸素による脳の障害などと区別することも大切です(小児慢性特定疾病情報センター)。

治療

治療

  • 急性期:けいれんを止め、全身の状態を良く保つ治療が基本です(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。ステロイドを大量に点滴する治療などが試みられることがありますが、効果は確かめられていません(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。一定の基準に当てはまる重症の場合には、早い段階で体温を管理する治療が検討されます(難病情報センター)。
  • 回復期以降:てんかんの治療と、知的障害や運動障害に対するリハビリテーションが中心になります(難病情報センター)。飲み込みや呼吸の機能が大きく落ちた場合は、食事の介助や管からの栄養、胃ろうが必要になることもあります(小児慢性特定疾病情報センター)。

どの治療を行うかは、病状に応じて専門の医師が判断します。

退院後の生活

  • 後遺症の程度は人によって大きく異なります。リハビリテーション、てんかんの薬、定期的な検査などが必要になり、障害の程度によっては日常生活での見守りや介助が必要になります(難病情報センター)。
  • 重い障害が残った場合は、飲み込みや呼吸の機能の低下、関節が固まる・体が変形するといったことに伴う合併症が起こりやすいとされています(小児慢性特定疾病情報センター)。
  • 回復期以降のてんかんは、音などで誘発されることや、治療しても止まりにくいことがあります(小児慢性特定疾病情報センター)(難病情報センター)。

生活上の注意は、担当の医師の指示を優先してください。

経過と生活

経過

急性期に亡くなる割合は約1%と低い一方、およそ7割のお子さんに知的障害・運動障害・てんかんなどの後遺症が残るとされています(難病情報センター)(小児慢性特定疾病情報センター)。2024年度に行われた全国調査では、後遺症なしが36%、軽度の後遺症が24%、中等度から重度の後遺症が39%でした(難病情報センター)。運動の機能は、知的な機能よりも回復しやすいことが多いとされています(難病情報センター)。

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出典

難病情報センター「痙攣重積型(二相性)急性脳症(指定難病129)病気の解説(一般利用者向け)」 / 小児慢性特定疾病情報センター「痙攣重積型(二相性)急性脳症」(文責:日本小児神経学会)
内容の確認日:2026-10-17(次回確認予定 2027-04-17)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。