病気の解説
紫斑病性腎炎
受診の目安
紫斑病性腎炎では、紫斑(皮膚の点状・斑状出血)と関節痛、腹痛です。こうした症状が続く・繰り返す・だんだん強くなるときや、不安があるときは、腎臓内科を受診してください。市販薬などで改善しないときも相談の目安です。
基本
概要
紫斑病性腎炎は、IgA血管炎に伴って起こる腎炎です。皮膚に紫斑と呼ばれる青紫色の斑点が出現し、関節痛や腹痛を伴うことがあります。腎臓の症状としては血尿や蛋白尿が現れ、場合によっては腎機能へ影響が及ぶことがあります。発症は主に小児にみられ、成人にも起こることがあります。治療は安静や対症的な対応が基本で、腎生検の結果に応じて治療方針が決まります。結論として、IgA血管炎に伴う腎炎としての特徴をもち、自然寛解することが多いとされています。
主な症状
紫斑病性腎炎の主な症状は、紫斑(皮膚の点状・斑状出血)と関節痛、腹痛です。紫斑は下腿に多く、初期は盛り上がることがあります。関節痛は約80%に認められ、腹痛は約60%でみられ、腸からの出血を伴うこともあります。約50%に腎炎が合併し、血尿や蛋白尿などの腎の兆候が現れることがあります。全身倦怠感や微熱を伴うこともあります。
原因
発症は秋から冬に多く、上気道感染症の先行がみられることがあります。IgAを含む免疫複合体が関与する全身疾患であり、IgA1分子の糖鎖不全が指摘されています。発生には現在も確定的な病因は示されていません。
リスク因子
成人発症は重症化リスクが高いとされる一方、発症年齢は小児で多く、3~7歳にピークがあり4~6歳で特に多いと報告されています。男女比は男性に多い傾向があり、アジア人や白人は黒人に比べ発症しやすいといわれています。
検査と診断
検査
腎生検を行い組織学的重症度を評価して治療方針を決定することがあります。
診断
紫斑病性腎炎の診断には、IgA血管炎の症状と腎炎の存在、腎生検の結果などを総合して判断します。腎生検を実施することがあると示されています。
鑑別
紫斑を伴う腎炎の鑑別には、IgA血管炎、その他の血管炎症候群、感染症関連腎炎などが挙げられます。
治療
治療
安静を基本とし、症状に応じて対症的な治療を行います。血尿のみや軽微な蛋白尿の場合は経過観察もあります。腎生検の結果に応じてステロイドや免疫抑制薬を使う場合があります。扁桃摘出術とステロイド療法の組み合わせが有効であるとの報告もあります。
使われる薬
腎生検の重症度に応じて副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬を使用することがあります。扁桃摘出術+ステロイドパルス療法(扁摘パルス療法)が報告されています。
経過と生活
合併症
腎炎を合併することがあり、腎機能障害や蛋白尿が持続すると治療や生活の影響が生じることがあります。腎炎の予後は検尿所見や腎生検の重症度で異なり、重症化のリスクは成人発症で高いとされています。末期腎不全へ進行すると腎代替療法が必要になる可能性があります。
経過・予後
IgA血管炎自体の予後は基本的に良好で、多くは数週間で自然寛解します。再発は約10%、持続型へ移行は5%未満です。腎炎の予後は腎機能の指標次第で、成人発症では重症化リスクが高いとされています。血尿や軽度の蛋白尿のみでは予後は良好なことが多いです。
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出典
参考: 難病情報センター(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。