病気の解説
腎血管性高血圧症
別名:腎血管性高血圧
受診の目安
- 健康診断や学校・乳幼児健診で血圧が高いと言われたとき(昭和医科大学病院)
- 高血圧の薬を3種類以上使っても血圧が下がりにくいとき(NIDDK)
- 50歳を過ぎて新たに高血圧になったとき、または家族に高血圧の人がいないのに高血圧になったとき(NIDDK)
- 血圧が高く、腎臓の数値が悪くなってきたと言われたとき(NIDDK)
相談先は内科・循環器内科・腎臓内科(子どもの場合は小児科)です。この病気そのものはほとんど症状がなく、血圧の数字や症状だけで原因を判断することはできません。原因を調べる検査が必要です(昭和医科大学病院)(NIDDK)。
基本
腎血管性高血圧症とは
腎臓に血液を送る動脈(腎動脈)が細くなることで起こる高血圧です(NIDDK)。腎動脈が狭くなって腎臓に届く血液が減ると、腎臓は血圧を上げるホルモン(レニン)を出し、その結果として血圧が上がります(昭和医科大学病院)。このように、別の病気が原因で起こる高血圧の一つです。
主な症状
高血圧そのものは、ほとんどの場合症状がありません(昭和医科大学病院)(NIDDK)。血圧がとても高くなると、頭痛、めまい、だるさ、集中力の低下などが出ることがあります(昭和医科大学病院)。
腎臓のはたらきが落ちてくると、尿の変化、むくみ(とくに脚)、疲れやすさ、かゆみ、食欲の低下、吐き気などが出ることがあります(NIDDK)。
原因・なりやすい要因
- 動脈硬化:最も多い原因で、血管の壁に脂肪などがたまって硬く狭くなります(NIDDK)。コレステロールが高い、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満、運動不足、年齢などが関わります(NIDDK)。
- 線維筋性異形成:動脈の壁が厚くなって血管が狭くなる病気です。女性や比較的若い年代に多いとされ(NIDDK)、子どもの腎血管性高血圧では最も多い原因です(昭和医科大学病院)。
- そのほか:大動脈炎症候群(高安動脈炎)などの病気が原因になることもあります(昭和医科大学病院)。
検査と診断
診断
聴診器でお腹の上に血管の雑音が聞こえることがありますが、聞こえなくても否定はできません(NIDDK)。腹部の超音波検査、造影CT、MRIによる血管の検査、カテーテルを使った血管造影などで、狭くなっている場所や程度、腎臓のはたらきを調べます(昭和医科大学病院)(NIDDK)。腎臓のはたらきが落ちている人では、造影剤による腎臓への負担に注意が必要とされます(NIDDK)(昭和医科大学病院)。
治療
治療
- 薬による治療:血圧を下げる薬を使います。腎臓を守る作用もある種類の薬(ACE阻害薬、ARB)がよく使われ、2種類以上が必要になることも多いとされます。動脈硬化が原因の場合は、コレステロールを下げる薬なども使われます(NIDDK)。狭くなり方が軽く、血圧がよく保たれている場合は、薬を使いながら経過をみます(昭和医科大学病院)。
- カテーテル治療:狭い部分を風船(バルーン)で広げ、必要に応じて金属の筒(ステント)を入れます。薬では血圧が十分に下がらない場合や、腎臓のはたらきが悪くなっている場合などに検討されます(昭和医科大学病院)(NIDDK)。線維筋性異形成では、比較的よい結果が得られやすいとされます(昭和医科大学病院)。
- 手術:血管のつなぎ直しなどの手術もありますが、合併症の心配から、現在は行われる機会が少なくなっているとされます(NIDDK)。
日常生活の注意・セルフケア
治療中は、医療機関の指示を最優先にしてください。
- 減塩:日本高血圧学会は、高血圧の人の食塩の摂取量を1日6g未満にすることを目標に掲げています(日本高血圧学会)。ただし、高齢の方や腎臓などに病気がある方では極端な減塩が問題になることもあるため、量は主治医と相談してください(日本高血圧学会)。
- 運動、適正な体重の維持、バランスのよい食事、禁煙を心がけます(NIDDK)。
- 腎臓のはたらきが落ちている場合は、たんぱく質やカリウムなども制限が必要になることがあります。食事の内容は医療機関の指導に従ってください(NIDDK)。
- 治療後も定期的に受診し、血圧と腎臓のはたらきを確認します(昭和医科大学病院)。
経過と生活
経過
治療を続けていれば、腎不全まで進むことは多くないとされます(NIDDK)。一方で、慢性腎臓病、心臓の病気、脳卒中などにつながることがあるため、血圧と動脈硬化の管理が大切です(NIDDK)。
循環器内科で扱うほかの病気
出典
NIDDK「Renal Artery Stenosis」 / 昭和医科大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター「腎動脈狭窄(腎血管性高血圧)」 / 日本高血圧学会「食塩の知識」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。