病気の解説
血小板無力症
別名:Glanzmannの血小板無力症、Glanzmann病、グランツマンの血小板無力症、グランツマン病
受診の目安
- 小さいころから、あざができやすい、鼻血がなかなか止まらない、歯ぐきから血が出やすいといった傾向が続いているとき(小児慢性特定疾病情報センター)(MedlinePlus Genetics)
- 抜歯や小さなけが・手術のあと、血が止まりにくかったことがあるとき(小児慢性特定疾病情報センター)
- 月経の量が多い、期間が長いと感じるとき(小児慢性特定疾病情報センター)(MedlinePlus Genetics)
- すでに診断を受けている人が、頭を強く打ったときや、出血がいつもより多い・止まらないとき(打撲をきっかけに重い出血が起こることがあるとされます)(小児慢性特定疾病情報センター)
相談先は血液内科、子どもの場合は小児科(小児血液の専門外来)です。出血しやすい原因には血小板の数が少ない病気や血液を固める因子の病気などさまざまなものがあり、症状だけで病名を決めることはできません。血液検査で調べてもらいましょう。
基本
血小板無力症とは
血小板無力症(グランツマン血小板無力症)は、生まれつき血小板の働きがうまくいかず、血が止まりにくくなる病気です(小児慢性特定疾病情報センター)(MedlinePlus Genetics)。血小板の数は正常なのに、血小板どうしがくっついて固まりをつくる力が弱いことが特徴です(小児慢性特定疾病情報センター)。とてもまれな病気ですが、生まれつきの血小板の働きの病気の中では比較的多いものとされます(小児慢性特定疾病情報センター)。
主な症状
皮膚や鼻・口の中など、体の表面に近い部分からの出血が中心です(小児慢性特定疾病情報センター)。
- あざ(紫斑)や、皮膚の小さな赤い点(点状出血)ができやすい
- 鼻血、歯ぐきからの出血
- 月経の量が多い。妊娠・出産のときに出血が多くなるおそれがあるとされます(MedlinePlus Genetics)
- 抜歯・けが・手術のあとの止血しにくさ
ときに胃腸からの出血や血尿がみられることがあり、まれに頭の中の出血など重い出血が起こることもあります(小児慢性特定疾病情報センター)(MedlinePlus Genetics)。一方、血友病で多い関節や筋肉の奥の出血はほとんどないとされます(小児慢性特定疾病情報センター)。出血の程度は人によって大きく異なり、同じ家族の中でも違うことがあります(MedlinePlus Genetics)。
原因
血小板の表面には、血小板どうしをつなぎ合わせる役目のたんぱく質(GPIIb/IIIa、インテグリンαIIbβ3)があります。この病気では、そのたんぱく質をつくる遺伝子(ITGA2B または ITGB3)の変化により、たんぱく質が不足したり、うまく働かなかったりします(MedlinePlus Genetics)(小児慢性特定疾病情報センター)。
遺伝のしかたは常染色体潜性(劣性)遺伝とされ、両親から1つずつ変化した遺伝子を受け継いだときに発症します。両親は症状のない保因者であることが多いとされます(MedlinePlus Genetics)(小児慢性特定疾病情報センター)。
検査と診断
診断
血液検査では血小板の数は正常で、血が止まるまでの時間が長くなります。血小板にいくつかの刺激を加えて固まり方をみる検査(血小板凝集能検査)や、血小板表面のたんぱく質を調べる検査、遺伝子の検査などを組み合わせて診断されます(小児慢性特定疾病情報センター)(MSDマニュアル家庭版)。
治療
治療
- 出血を防ぐ生活の工夫:重い出血を避けるための生活上の注意が、治療の中でいちばん大切とされます(小児慢性特定疾病情報センター)。
- 小さな出血:皮膚や粘膜の小さな出血は、しっかり押さえて止めるのが基本です。鼻や口の中の出血には、血の固まりを溶けにくくする薬(抗プラスミン薬)が使われます(小児慢性特定疾病情報センター)。
- 重い出血や手術のとき:健康な人の血小板を補う血小板輸血が行われます(小児慢性特定疾病情報センター)。
- 輸血が効きにくくなった場合:輸血をくり返すと、輸血した血小板に対する抗体ができて効果が出にくくなることがあり、その場合は別の止血のための製剤が使われることがあります(小児慢性特定疾病情報センター)。
日常生活の注意・セルフケア
日常の注意は、主治医の指示を優先してください。
- 血小板の働きを弱める薬(解熱鎮痛薬の一部など)は避けるよう指導されます。市販薬を使う前にも、医師や薬剤師に相談しましょう(小児慢性特定疾病情報センター)(MSDマニュアル家庭版)。
- 抜歯や手術を受けるときは、事前にこの病気があることを必ず伝えます(小児慢性特定疾病情報センター)。
- 頭を打つなど、強い衝撃を受けるけがに注意します(小児慢性特定疾病情報センター)。
経過と生活
経過
子どものころは鼻血や胃腸からの出血で輸血が必要になることがありますが、一般に大人になるにつれて出血は軽くなるとされます(小児慢性特定疾病情報センター)(MedlinePlus Genetics)。この病気は小児慢性特定疾病の対象になっています(小児慢性特定疾病情報センター)。
血液内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
小児慢性特定疾病情報センター「血小板無力症 概要」 / MedlinePlus Genetics「Glanzmann thrombasthenia」 / MSDマニュアル家庭版「血小板機能障害」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。