血小板無力症でみられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
血小板無力症は、血小板膜糖タンパク質IIb/IIIa複合体の機能異常により、血小板同士の凝集が障害される遺伝性疾患です。これにより止血機能が低下し、出血傾向を呈します。血小板の一次止血機能が障害されるため、出血時間は延長します。また、血小板凝集に関わる重要なアゴニストであるADPによる血小板凝集反応が著しく低下します。
選択肢ごとの解説
- 1. APTTは内因系および共通系凝固因子の活性を反映する検査であり、血小板の機能異常である血小板無力症では通常延長しません。血小板無力症で障害されるのは一次止血です。正しくは:APTTは延長しない。選びやすい理由:出血傾向があるため、凝固系全体に異常があるように感じるかもしれませんが、血小板無力症は凝固因子ではなく血小板機能の異常です。混同注意:内因系凝固因子欠乏症(例:血友病A・B)
- 2. 血小板無力症は血小板の機能異常症であり、血小板の産生や破壊に問題がないため、血小板数は通常正常です。血小板減少症は血小板数が減少する病態です。正しくは:血小板の数は正常である。選びやすい理由:血小板の異常という言葉から、単純に血小板数が減少していると誤解しやすい。混同注意:特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などの血小板減少症
- 3. 正解。血小板無力症では、GP IIb/IIIa複合体の機能異常により血小板同士の凝集が障害され、一次止血がうまく機能しないため、出血時間が延長します。選びやすい理由:一次止血機能の障害を直接反映する検査であり、正しいと判断しやすい。
- 4. 正解。ADPは血小板凝集を誘導する代表的なアゴニストであり、血小板無力症ではGP IIb/IIIa複合体の機能不全により血小板凝集が障害されるため、ADPによる血小板凝集能は著しく低下します。選びやすい理由:血小板凝集能の低下は血小板無力症の病態の中心であるため、正しいと判断しやすい。
- 5. リストセチンによる血小板凝集能は、フォン・ヴィルブランド因子(vWF)と血小板膜上のGP Ib/IX/V複合体の結合を介した血小板接着能を反映します。血小板無力症ではGP IIb/IIIa複合体の異常であり、vWF-GP Ib/IX/V経路は正常なため、リストセチンによる凝集能は通常低下しません。正しくは:リストセチンによる血小板凝集能は低下しない。選びやすい理由:他の血小板凝集検査の異常と混同しやすい。混同注意:フォン・ヴィルブランド病、ベルナール・スーリエ症候群
国試ポイント
血小板無力症は、血小板数・形態・フォン・ヴィルブランド因子は正常だが、血小板凝集能が障害される疾患であることを覚える。特に、GP IIb/IIIaの異常、ADPなどによる凝集能低下、出血時間延長がポイント。
混同注意
血小板無力症とフォン・ヴィルブランド病、ベルナール・スーリエ症候群との鑑別が重要です。血小板無力症はGP IIb/IIIa、ベルナール・スーリエ症候群はGP Ib/IX/V複合体、フォン・ヴィルブランド病はフォン・ヴィルブランド因子に異常があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、血小板無力症の病態生理(GP IIb/IIIa異常、凝集障害)を正確に理解し、一次止血検査(出血時間、血小板凝集能)と二次止血検査(APTT, PT)の違いを明確に区別して判断します。
関連知識
血小板の一次止血は、血管損傷部位への血小板接着、血小板活性化、血小板凝集の3段階からなります。血小板無力症はこのうち血小板凝集の障害です。APTTは内因系凝固因子の異常、PTは外因系凝固因子の異常を反映します。