病気の解説
骨盤腹膜炎
別名:骨盤内炎症性疾患
緊急性の高い症状
お腹の激しい痛みが続く・板のように硬い・嘔吐を繰り返す・高熱を伴うときは、ただちに救急(119)を要請してください。
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 下腹部の痛み、発熱、いつもと違うにおいの強いおりもの、性交時の痛みや出血、排尿時の痛み、月経以外の出血があるときは、早めに婦人科(産婦人科)を受診してください。
- 治療が遅れるほど、卵管のつまりや不妊、子宮外妊娠、慢性的な骨盤の痛みなどの後遺症が残りやすいとされています。症状が軽くても放置しないでください。
- 性感染症(クラミジア・淋菌など)にかかった可能性がある、またはパートナーに感染の疑いがあるときも、症状がなくても受診・検査を受けましょう。
- 治療を受けるときは処方された抗菌薬を最後まで飲み切り、パートナーも検査・治療を受けて、治療が終わるまで性交渉を控えてください。
症状だけで病名を見分けることはできません。気になる症状があれば自己判断せず、医療機関で診察を受けてください。
出典:CDC: About Pelvic Inflammatory Disease (PID)、MedlinePlus: Pelvic Inflammatory Disease
基本
概要
骨盤腹膜炎は、骨盤内炎症性疾患のひとつで、腟由来の細菌が子宮頸部を経て上へ広がり、骨盤内に炎症を起こす状態です。感染は主に性行為を通じて起こることが多く、淋菌感染症やクラミジア感染症、性器マイコプラズマなどが関与します。細菌性腟症が原因のこともあります。治療前提としては感染が体の他の部分へ広がらないよう、適切な抗菌薬の使用が重要とされています。
主な症状
月経の終わりごろや終わって2〜3日後に痛みが始まることが多く、下腹部の痛みが中心です。痛みは片側に強く出ることもあります。おりものや不規則な出血、下腹部の痛みを伴う性交時や排尿時の痛み、熱や吐き気が出ることもあります。病状が進むと热が上がり、膿性の分泌物が増えることがあります。重症例では症状が軽いこともあり得ます。
原因
主な原因は腟由来の細菌が膣内から子宮頸部へ広がり、上行性に広がって起こることです。性感染症の病原体として、淋菌・クラミジア・性器マイコプラズマなどが挙げられます。妊娠前後の処置や婦人科手術の際に感染が起きることもあります。
検査と診断
診断
医師の診察と、子宮頸部からのサンプル検査、時に超音波検査や腹腔鏡検査を行います。内診で骨盤部の痛みがあると診断を裏付けることがあります。妊娠の有無を確認する検査も行われます。必要に応じて腹腔鏡を用いて内部を観察し、検査用の体液を採取することがあります。
治療
治療
多くは抗菌薬を内服または筋肉注射で使います。重症度が高い場合や妊娠の可能性、膿瘍が疑われる場合などは入院して静脈内の抗菌薬治療が行われ、膿がある場合には排膿を検討します。膿瘍が破裂すると緊急手術が必要になることがあります。治療期間中は感染が治癒したことを医師が確認するまで治療を続けます。
経過と生活
予防
性感染症が原因となることが多いため、安全な性行為の実践や、性感染症のリスクがある場合の検査受診、正しく使用したコンドームの継続的な使用が予防につながります。
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出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:CDC: About Pelvic Inflammatory Disease (PID) / MedlinePlus: Pelvic Inflammatory Disease(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。