病気の解説
高カルシウム血症
別名:高Ca血症
受診の目安
- 健康診断や血液検査で、カルシウムの値が高いと言われたとき
- のどが強く渇く、尿の量や回数が増える、便秘・吐き気・食欲がない、だるい、といった状態が続くとき(MSDマニュアル家庭版)(NIDDK)
- がんの治療中の人や、ビタミンDやカルシウムのサプリメント・薬を多くとっている人で、こうした症状が出たとき(MSDマニュアル家庭版)
- 意識がぼんやりする・混乱している、強い脱力、脈の乱れがあるときは、急いで医療機関を受診してください。重い高カルシウム血症では、脳の働きの障害や不整脈が起こり、命に関わることがあるとされます(MSDマニュアル家庭版)。
相談先は内科(内分泌内科)です。がんの治療中の人は、治療を受けている主治医に連絡してください。これらの症状はほかの病気でも起こり、症状だけで判断することはできません。血液検査で確かめます。
基本
高カルシウム血症とは
血液の中のカルシウムの濃度が高くなりすぎた状態です(MSDマニュアル家庭版)。カルシウムの濃度は、首にある副甲状腺から出るホルモン(副甲状腺ホルモン)などによって調整されています(NIDDK)。副甲状腺は甲状腺の近くにある小さな4つの腺ですが、名前が似ているだけで、甲状腺とは別の器官です(NIDDK)。軽いうちは症状がなく、ふだんの血液検査で偶然見つかることもよくあります(MSDマニュアル家庭版)(NIDDK)。
主な症状
- 軽いとき:症状がないことも多くあります。だるさ、筋力の低下、気分の落ち込み、骨や関節の痛みなどを感じることがあります(NIDDK)(MSDマニュアル家庭版)。
- おなかの症状:便秘、吐き気・おう吐、腹痛、食欲がない(MSDマニュアル家庭版)。
- 水分の症状:尿の量が増え、脱水になり、強いのどの渇きを感じます(MSDマニュアル家庭版)。
- 長く続いたとき:カルシウムを含む腎臓の結石ができることがあり、まれに腎臓の働きが落ちます(MSDマニュアル家庭版)。
- 重いとき:混乱、せん妄、意識の低下などの脳の症状、筋力の低下、不整脈が起こることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
原因・なりやすい要因
- 副甲状腺の働きすぎ(副甲状腺機能亢進症):主な原因のひとつです。多くは、4つの副甲状腺のうち1つにできる良性の腫瘍(腺腫)によるもので、複数の腺が大きくなる場合もあります(NIDDK)(MSDマニュアル家庭版)。副甲状腺のがんが原因になることはまれです(NIDDK)。
- がん:がんがカルシウムを上げる物質を出したり、骨に転移して骨を壊したりすることで起こります。多発性骨髄腫でも起こります(MSDマニュアル家庭版)。
- ビタミンDやカルシウムのとりすぎ:ビタミンDを大量に長くとり続けた場合や、牛乳・カルシウムを含む胃薬を大量にとった場合などです(MSDマニュアル家庭版)。
- そのほか:骨の病気、重い甲状腺の働きすぎ、長く寝たきりで骨に負担がかからない状態、サルコイドーシスなどの病気、一部の薬(MSDマニュアル家庭版)。
検査と診断
診断
血液検査でカルシウムの値を調べます(MSDマニュアル家庭版)。原因を探すため、副甲状腺ホルモンの量を測る血液検査、尿の検査、胸部X線検査などを行います(MSDマニュアル家庭版)(NIDDK)。副甲状腺機能亢進症では、骨密度の検査や腎臓の画像検査で、骨や腎臓への影響を確かめることもあります(NIDDK)。
治療
治療
治療は、カルシウムの値と症状の重さ、原因によって変わります。
- 軽い場合:原因を取り除き、腎臓の働きに問題がなければ水分を十分にとるよう勧められます(MSDマニュアル家庭版)。
- 重い場合:入院して点滴で水分を補い、尿からカルシウムを出しやすくする薬を使います。骨からカルシウムが出ていくのを抑える薬も使われます(MSDマニュアル家庭版)。ほかの方法で下がらないごく重い場合には、透析が行われることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 副甲状腺機能亢進症の場合:働きすぎている副甲状腺を手術で取ることが、確実に治す方法とされています(NIDDK)(MSDマニュアル家庭版)。症状がなく手術の基準に当てはまらない場合は、定期的に経過をみることもあります(NIDDK)。
日常生活の注意・セルフケア
水分のとり方や食事、サプリメントについては、医療機関の指示を優先してください。ビタミンDやカルシウムのサプリメント、カルシウムを含む胃薬を使っている人は、自己判断で量を増やさず、医師や薬剤師に伝えてください(MSDマニュアル家庭版)。
内分泌・代謝内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
MSDマニュアル家庭版「高カルシウム血症(血液中のカルシウム濃度が高いこと)」 / NIDDK「Primary Hyperparathyroidism」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。