末梢血幹細胞採取で臨床検査技師が行うことができないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
臨床検査技師の業務は、医師の指示のもとに行われる採血、検体検査、生理機能検査などに限定されています。薬剤の投与は医師法で定められた医行為であり、臨床検査技師が行うことはできません。これは、医療における職種ごとの明確な役割分担に基づいています。
選択肢ごとの解説
- 1. 臨床検査技師は、医師の指示のもとで採血行為として末梢血幹細胞採取に必要な静脈穿刺(血管確保)を行うことが可能です。これは採血業務の一環とみなされます。選びやすい理由:血管確保がより専門的な医療行為と捉えられがちですが、採血のための穿刺は臨床検査技師の業務範囲に含まれます。混同注意:一般的な血液検査のための採血と、末梢血幹細胞採取のような特殊な採血における穿刺の範囲が混同されやすいですが、どちらも医師の指示下であれば行えます。
- 2. 臨床検査技師は、成分採血装置の専門知識を持ち、その操作、設定、維持管理、トラブルシューティングを主な業務としています。選びやすい理由:装置の複雑さや医療機器としての側面から、操作が制限されると誤解されがちです。混同注意:医師や看護師も装置の概要を理解しますが、日常的な専門的操作と管理は臨床検査技師の重要な役割です。
- 3. 正解。薬剤の投与は、医師法第17条に規定される「医行為」であり、医師またはその指示を受けた看護師のみが行うことが可能です。臨床検査技師には薬剤を投与する権限がありません。正しくは:薬剤の投与は医師または看護師が行います。選びやすい理由:採取中に患者の容態管理や副作用対策として薬剤が必要になる場面があるため、その場にいる検査技師が行うべきだと錯覚しやすいです。混同注意:血液製剤の準備や管理は臨床検査技師の業務ですが、それを患者の体内に「投与」することは明確に区別される医行為です。
- 4. 穿刺後の針の抜去と止血は、採血行為の一連の流れとして臨床検査技師が行うことが認められています。選びやすい理由:抜針後の止血管理が重要であるため、医療行為と誤解する可能性があります。混同注意:静脈路確保のための穿刺と同様に、抜針も採血業務の一部として臨床検査技師の業務範囲内です。
- 5. 採取された幹細胞の品質管理、保存液への懸濁、分注、凍結などの細胞処理は、細胞処理技術の専門知識を持つ臨床検査技師の重要な業務です。選びやすい理由:高度な細胞生物学的な知識や無菌操作が求められるため、専門外と誤解するかもしれません。混同注意:細胞培養や遺伝子検査など、細胞を扱う技術は臨床検査技師の専門分野であり、その応用として細胞保存処理も行います。
国試ポイント
臨床検査技師の業務範囲に関する知識、特に医師法や医療関連法規に基づく職務の明確な区別が問われています。どこまでが「検査」業務で、どこからが「医療」行為かを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
静脈路確保や抜針といった手技が、薬剤投与と同様に医師や看護師のみが行う医行為であると誤解されやすいです。また、末梢血幹細胞採取という特殊な状況下での業務範囲が一般の採血と混同されやすいことがあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た際は、採血、検体処理、装置操作、生理機能検査など、具体的な業務内容が提示されたときに、それが臨床検査技師の業務範囲内であるか否かを、法的根拠(医師法第17条など)と結びつけて判断できるかがポイントになります。特に「投与」「診断」「治療」といった直接的な医療行為に関わる内容は、原則として臨床検査技師の業務範囲外であると考えるべきです。
関連知識
医師法、保健師助産師看護師法、臨床検査技師等に関する法律におけるそれぞれの職種の業務範囲。輸血や透析における各職種の役割分担。各職種の法律上の責任と権限。