標準予防策で感染性を考慮しないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
標準予防策は、すべての患者の血液、あらゆる体液、分泌物、排泄物(汗を除く)、損傷のある皮膚、粘膜に潜在的な感染性があると考えて対応する予防策です。汗は、皮膚から分泌される体液であり、通常、病原体伝播のリスクが低いとされており、標準予防策の対象外とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。標準予防策では、汗は皮膚の分泌物であり、通常、病原体の伝播リスクが低いと考えられています。血液、体液、排泄物、分泌物(汗を除く)、損傷のある皮膚、粘膜とは異なり、感染源として特別に扱う必要はありません。
- 2. 尿は、血液や他の病原体によって汚染されている可能性があり、また大量に排出されることもあります。標準予防策では、血液や体液全般(汗を除く)と同様に感染性を考慮し、手袋などの個人防護具の使用が推奨されます。正しくは:尿は感染性を考慮し、適切な個人防護具を用いて取り扱うべき体液です。選びやすい理由:健康な人の尿は無菌であるという知識から、感染性が低いと誤解しがちですが、排泄される過程で汚染される可能性や、尿路感染症などの潜在的なリスクを考慮する必要があります。混同注意:汗のように無菌性が高いと誤解されることがあります。
- 3. 髄液は、血液媒介病原体を含むあらゆる病原体を伝播するリスクが高い体液であり、標準予防策において厳重な注意が必要です。血液と同様に、特別な取り扱いが求められます。正しくは:髄液は感染性が極めて高く、標準予防策において感染源として考慮すべき体液です。選びやすい理由:髄液は体の内部にあり、感染症との関連性が低いと誤解するかもしれませんが、中枢神経系に直接関わるため、感染が起こると重篤化しやすいことを考慮すべきです。混同注意:通常の排泄物などと異なり、普段接する機会が少ないため、その感染性の高さを見過ごすことがあります。
- 4. 精液は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)やB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)などの血液媒介病原体を伝播する体液として知られています。標準予防策では、血液と同様に感染性を考慮します。正しくは:精液は感染性を考慮し、適切な個人防護具を用いて取り扱うべき体液です。選びやすい理由:性感染症という特定の文脈でのみ感染性を考慮すると思いがちですが、標準予防策では全ての患者に対して普遍的に感染リスクを考慮します。混同注意:血液媒介病原体との関連性が直接的に連想されにくい場合があります。
- 5. 唾液は、口腔内の処置時や血液が混入している場合など、感染源となる可能性があります。標準予防策では、血液や体液全般と同様に感染性を考慮し、手袋や保護眼鏡などの個人防護具の使用が推奨されます。正しくは:唾液は感染性を考慮し、状況に応じて適切な個人防護具を用いて取り扱うべき体液です。選びやすい理由:日常的に接する機会が多く、その感染リスクを軽視しがちですが、口腔内には多様な微生物が存在し、特に血液が混入すると感染リスクが高まります。混同注意:汗と同じように、比較的リスクが低いと誤解されることがあります。
国試ポイント
標準予防策の基本原則と、その対象となる体液・物質について正しく理解しているかを問う問題です。特に、「汗を除く」という例外規定を記憶しているかが重要になります。
混同注意
汗と、尿や唾液など、比較的日常的に接する体液の感染性についての区別。汗は純粋な皮膚分泌物として扱われるのに対し、尿や唾液は排泄物や分泌物として、病原体が含まれる可能性があるため感染性体液として扱われます。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、標準予防策で対象となる他の体液(例:髄液、胸水、腹水など)や、個人防護具の具体的な選択・使用に関する知識が問われる可能性があります。また、感染経路別予防策(空気感染、飛沫感染、接触感染)との違いや組み合わせについても注意が必要です。
関連知識
標準予防策の定義、対象となる体液(血液、精液、腟分泌物、髄液、胸水、腹水、心嚢液、関節液、羊水、および血液が混入した他の体液)、分泌物、排泄物(ただし汗は除く)、損傷のある皮膚、粘膜。個人防護具(手袋、マスク、ゴーグル、ガウン)の適切な使用方法。手指衛生の重要性。